老後資金において退職金は大きな要素です。住宅ローンの返済、リフォーム、旅行…、さまざまな計画を立てているかもしれません。しかし、全員退職金が出るとは限りませんから気をつける必要があります。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が「退職金」について解説します。
大卒1897万円、高卒1497万円…勤続35年以上「退職金」の平均額 (※写真はイメージです/PIXTA)

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退職金は羽が生えたように消えていく!

■退職金は「余裕資金」ではない

 

いずれにしろ、退職金はまとまった金額になります。これほどのお金をいっぺんに得る機会は、人生の中でもそうそうないと思います。

 

人は大金を手にすると、舞い上がってしまう生き物です。頬が緩み、気持ちが緩み、財布のヒモも緩む。景気よく使い、退職金は羽が生えたように消えていきます。

 

こんなふうに残念な使い方をする人の、なんと多いことか。

 

たしかにいろいろなことができますが、勘違いしないでください。退職金は「余裕資金」ではなく、老後生活のための大切なお金です。

 

定年後は大きな勤労所得はあまり望めません。再雇用では、現役時代より収入が下がることが多いでしょうし、この先働ける年数も限られています。一度資産が減ってしまうと、なかなか取り返すことが難しいのです。退職金は賢く使わなければいけません。

 

だからといって、運用に走るのは考えもの。もちろん、現役時代から経験していた人が、運用で増やしていくのはいいことだと思います。

 

しかし、ほとんど経験のない初心者が、いきなり大金をつぎ込むのはオススメできません。多くの場合、運用に失敗し、元本を減らす結果になります。

 

突然始めて儲けられるほど、投資は甘くありません。筆者自身、成功と失敗を何度も繰り返して経験を積んできました。そうして、ようやく運用というものがわかってきます。

 

週刊誌やマネー雑誌、ウェブなどでは、「退職金は運用して増やせ」とか「老後資金は運用しないとダメ!」といった記事を見かけます。ですが、それを鵜呑みにしてはダメ! 大事な老後資金を増やすどころか減らしてしまったら、元も子もありません。

 

長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員
大学卒業後、出版社に勤務。いくつかの出版社の編集部を経て、1997年に「NEO企画」を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生みだす。著書には『かんたん!書き込み式 保険払いすぎ見直しBOOK』『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)、近著に『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)などがある。

 

 

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