老後資金において退職金は大きな要素です。住宅ローンの返済、リフォーム、旅行…、さまざまな計画を立てているかもしれません。しかし、全員退職金が出るとは限りませんから気をつける必要があります。ファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏が「退職金」について解説します。
大卒1897万円、高卒1497万円…勤続35年以上「退職金」の平均額 (※写真はイメージです/PIXTA)

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企業年金は全ての会社にあるわけではない

■企業年金とはどんな制度?

 

「企業年金なんて聞いたことないぞ」と、首を傾げた人もいるでしょう。企業年金はすべての会社にあるわけではありませんが、サラリーマン・公務員のかなり多くの人が該当します。企業年金制度は会社によって異なりますので、一概に言うことはできません。

 

ここでは大まかなしくみについて解説をしていきましょう。企業年金には、大きく分けて「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金」「厚生年金基金」の3つがあります。

 

●確定給付企業年金(DB)

 

「確定給付企業年金」の加入者は933万人と、もっとも多いタイプです。

 

労使同意のもと、企業が実施する企業年金制度です。原則的に掛金は企業が負担します(一部個人負担の場合もあります)。企業が負担した掛金は、年金資金として管理・運用されます。

 

年金は確定給付ですので、受け取れる年金額が決まっています。受け取れる期間は、原則として終身、または5年以上の有期です。しかし、実際には終身年金は減ってきており、10年や15年といった有期年金の形が多くなっています。

 

●企業型確定拠出年金(DC)

 

基本的にはiDeCo(個人型確定拠出年金)と同じしくみです。iDeCoは個人が掛金を出しますが、企業型は会社が掛金を負担します。加入者は750万人。

 

運用先は個人が指図します。ですので、運用実績に応じて年金額や一時金額が変わってしまいます。運用がうまくいくかどうかは、加入者の自己責任です。拠出金の上限は決まっているものの、加入者が拠出できるマッチング拠出やiDeCoに加入して増額することもできます。

 

●厚生年金基金

 

基本的には確定給付企業年金と同じように、会社が掛金を負担して年金を管理・運用する制度です。ただ、国の老齢厚生年金の一部も代行し、厚生年金基金の独自の上乗せをします。しかし、厚生年金基金を解散、または確定給付企業年金への移行が進み、加入者は12万人と少なくなっています。

 

■加給年金は厚生年金の家族手当?

 

「加給年金」とは、厚生年金の家族手当のようなものです。年下の配偶者がいる場合、または18歳以下の子どもがいる場合に受け取れます。厚生年金に20年以上加入している人が65歳になると、その人に生計を維持されている配偶者と子どもに加算されるのです。加給年金額と特別加算額とがあり、年額39万円以上になります。

 

ただし、「ねんきん定期便」には記載されていません。申請を忘れると受け取れないので注意してください。

 

妻(夫)が65歳になったら、加給年金は終了します。かわりに、妻(夫)の基礎年金に振替加算が上乗せされます。年齢により金額は変わりますが、それほど多くはありません。昭和36年生まれの人は約1万5000円で、昭和41年4月2日以降に生まれた人からはゼロになります。

 

繰下げ受給をすると、加給年金を受け取ることができません。とはいえ、加給年金は厚生年金に関わってくるもので、国民年金は対象外。国民年金だけを繰下げる方法なら、問題ありません。

 

振替加算は金額が小さいので、あまり気にしなくても大丈夫です。

 

出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。
出典:長尾義弘著『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)より。

 

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