(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、手軽な歯列矯正手段として認識されている「マウスピース矯正」。従来の固定式装置と違い、目立たず、取り外しもできるという点が、患者にとって魅力的なようだ。そんなマウスピース矯正だが、「医師にとってもメリットが大きい」と、津田沼前原コウノ歯科・矯正歯科院長の河野麻友子氏は語る。マウスピース矯正を通して現代日本の医療の変わりゆく姿にせまる。

美と健康への意識向上と自己投資

実際に当クリニックでもマスク生活が始まってから、矯正治療の成約数が増えた。矯正希望患者はもちろんだが、噛み合わせが悪い一般患者へ矯正を勧めると、歯並びに大きく課題意識がなかった患者の成約率が上がっている。その理由は、先ほど述べた通り日常の消費が減った結果、自己投資する方が増えているからだろう。

 

また、矯正というとワイヤーのイメージがあったが、マウスピース矯正の認知度が上がってきたことも大きい。目立たないかつ外せるということを知り、マスク生活のうちに治そうと考え成約に至る。

 

直近では、20代から30代の患者の矯正ニーズがもっとも高くなっている。

集患も可能なマウスピース矯正

一般歯科でも患者単価を上げるため、矯正治療の導入を考えるクリニックが多い。しかし、導入には大きな壁がある。

 

・初期投資

設備投資やセミナーへの参加が必要。

 

・矯正歯科医の雇用

矯正歯科医の場合、非常勤であれば時間的制約や勤務回数が制限され患者への十分なメリット提供ができないことも多いだろう。雇用形態にもよるが患者との契約金の多くが矯正歯科医へ支払われる場合もある。

 

・一般歯科医が矯正治療を習得する

一般歯科医の場合は習得まで時間がかかる。

 

・集患コスト

矯正治療の患者をさらに増やしたい場合は集患コストがかかる。

 

そこで近年増えている外部提携(一般の企業等)によるマウスピース矯正システムの導入を検討すると良いだろう。大きく分けて、その座組みは2種類だ。

 

1.マウスピース矯正治療を提供するブランドの患者を受け入れ治療を行う

一般の企業がウェブマーケティングなどで集患を行い、歯科医院に患者を送るモデル。治療計画作成や患者の経過観察などが必要なため、このモデルは矯正の知識や設備が必要で初期投資がかかる。

 

2.マウスピース矯正治療を提供するブランドの「資料どり」を受け入れる

一般の企業がウェブマーケティングなどで集患を行い、歯科医院にレントゲン撮影・歯型採取などの「資料どり」を委託するモデル。

 

それ以降の矯正治療を提供する必要がなく、一般歯科の患者と変わらない流れで対応できるため設備投資が必要なく、矯正治療に関する治療リスクがない。また、口腔内環境が悪く治療が必要な患者がいれば矯正治療前に治療を行うことができる。一般企業のマーケティングコストを用いて、新たな患者との接点を生み出せるメリットは大きい。

 

またウェブマーケティングを行うIT企業などが提供するブランドを選べば、その強みを生かし、矯正患者はもちろん一般歯科の患者も集患が可能だ。例えば、私のクリニックで使用しているブランドでは、Googleマップでの検索結果において上位表示させるMEO対策やクリニックのホームページ改善を依頼することもできる。

地域に根ざした集患も大切

直近は、HPからの予約率が全体の3分の2とウェブからの新規患者が増えていることもあり、ウェブの集患感度を高めている。歯科領域に関わらず、美容領域含めHPやSNS等の情報交換を行うことも多い。今回紹介したような新たなサービスと連携することも重要だと感じている。

 

また、地域に根ざした認知度を上げる活動も行っている。地域に根ざすことで口コミが広がり紹介患者率が上がるためだ。

 

ウェブとリアルのバランスを考え、情報感度を高く持つことが大切だ。

 

 

<参考資料>

https://www.jpao.jp/15news/1545press-release/1113.html

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000270.000006978.html
 

 

 

 

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