私募リートへの投資を検討する場合に最も気になるのは、他の投資商品との違いやリスクについてではないでしょうか。本連載では、私募リートのメリット、デメリットあるいはリスクについて、同じ不動産証券化商品であるJリート、私募ファンドと比較しながら明らかにしていきます。

私募リート購入前に把握しておきたい「概略・設計」

私募リートへの投資を検討する場合に、最も気になるところは「他の投資商品といったい何が違うのか、どのようなリスクがあるのか」という点でしょう。

 

そこで、本連載では私募リートのメリット、デメリットあるいはリスクについて、同じ不動産証券化商品であるJリート、私募ファンドと比較しながら明らかにしていきます。

 

まずは、Jリート、私募ファンドそれぞれの概略や商品設計について確認しておきましょう。

比較対象①「Jリート」――近年は活況を取り戻す

Jリートは証券取引所に上場されているリートです。「J」は「JAPAN」の頭文字からとられており、英語名を「J-REIT:Japanese Real Estate InvestmentTrust」といいます。2001年に登場した後、Jリート市場は順調な発展を遂げてきましたが、2008年に起きたリーマン・ショック後は、その影響を受け資金繰りの悪化により破綻する投資法人や、倒産する運営企業も現れました。

 

2011年の東日本大震災の追い打ちもあって市況は長く低迷していましたが、現在は再び活況を取り戻しています。

 

下記図表にあげた東証リート指数(Jリート全体の価格動向を表す指数)が示しているように、2008年10月には一時704ポイントまで低下しましたが、2015年11月の時点では1700ポイントを超えています。

 

[図表]証REIT 指数と日経平均株価の推移

 

国土交通省「平成27年版土地白書」より
国土交通省「平成27年版土地白書」より

 

 

私募ファンドの説明は次回に続きます。

本連載は、2016年1月25日刊行の書籍『世界一わかりやすい私募REITの教科書』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

世界一わかりやすい私募REITの教科書

世界一わかりやすい私募REITの教科書

初村 美宏

幻冬舎メディアコンサルティング

取引所に上場せず、オープンエンドで運用される不動産投資ファンド「私募REIT」。 1990年代にアメリカで人気となり日本でも2001年から発売が開始、不動産投資市場でも急成長を遂げている人気の投資商品である。主な投資者は機…

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