中山てつや氏は著書『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』のなかで、職場における諸問題について語っています。本記事では、中山氏のキャリアコンサルティングとしての実務経験をもとに、日本の企業における問題点を考察していきます。今回は、相性の悪い上司や同僚とどのように向き合っていくべきか、見ていきます。
相性の悪すぎる同僚を「試しに陰でほめてみた。」…予想外の結果に (※画像はイメージです/PIXTA)

相性の悪い上司には「戦略的なほめ対策」を講じるべき

そこで、最も可能性のあるのが、身近にいる「気心知れた同僚」です。社内の人間であれば、同じ部署でなくても問題はありません。大切なのは、本音で「曖昧に」ほめ伝えることができる相手だということです。

 

一緒に食事でもした時に、さりげなく「陰」で「曖昧ぼめ」をしてみてはいかがでしょう。その際に肝心なのは、自分自身が本当にそう感じていないと、相手の腹に落ちないということです。口からでまかせや思いつきは、やはり相手に見透かされてしまいます。とにかく、何でもいいから、上司に関して「心底、いいと思える」部分にスポットライトを当てる必要があります。

 

同僚経由ということで、本当に効果が表れるかは未知数です。また、仮に効果が出るとしても、時間がかなりかかることは、容易に想像できます。従って、過度な期待はできません。それでも、何もせずに日々悶々と過ごすよりは、はるかにましでしょう。

 

一般論ではありますが、実に多くの会社員が、この「反対」をやっています。自分もそうでしたが、仲のいい同僚と飲みに行った時などは、気に食わない上司の悪口ばかりを言っていた記憶があります。これでは、意味がありませんね。完全なる逆効果です。場合によっては、ストレス発散にもなるので、一概に否定はできませんが、たまには戦略的な「ほめ対策」を講じてみても良いのではないかと思います(自らの反省も込めて)。

 

 

*****************************

中山てつや

1956年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日系製造メーカー及び外資系IT企業を経て、主にグローバル人材を対象としたキャリアコンサルティングの仕事に携わる。