(※写真はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少、経済停滞が危惧される日本社会。中国や米国と比較すると、その悲しい実態が鮮明になります。日本で「お金を守り、増やす」方法について、株式会社アレース・ファミリーオフィス代表取締役、一般社団法人相続終活専門協会理事の江幡吉昭氏が解説していきます。

預金だけだと…低成長の国と一緒に「地盤沈下」の悲惨

3.Cash is Kingの時代は終わった?

 

今までの時代は「Cash is King」でした。しかし、好む好まざるに関わらず、低成長の国では、働いて貯めたお金(もしくは相続して得たお金)について、今度は「お金自身にも働いてもらう」ことが必要な時代が到来しています。国全体の成長が止まっているからです。

 

筆者は2012年のアベノミクス以降、Cash is Kingの時代は終了していると考えています。

 

株や、暗号資産、不動産に投資していた人は大きく資産が膨らんでいます。実際、株は3倍、暗号資産は数百倍以上、不動産も都内であれば20%程度は上昇しています。

 

しかし預金のみの人はお金がまったく増えていません。

 

一生懸命働くことはいいことですし、大事です。しかし貯蓄しているだけでは資本収益率はゼロ金利ですから、向上せず、低成長の国と一緒に地盤沈下してしまうのではないかと危惧しています。

 

資産運用というとどうしても株式のイメージが強く、ハイリスクハイリターンと思われがちですが、今は様々な運用商品ができています。たとえば不動産一つとっても、ワンルームマンション投資だけではなく、REITや不動産の小口化商品などが生まれています。

 

外貨投資についても、筆者が銀行員だったときは外貨預金程度でしたが、今はFX、外国株式、外国債券、デリバティブを使った外債、CFDなど多様であり、それぞれのリスク耐性に応じて資本収益率の向上を目指すべきではないかと考えています。

 

 

1990年代のバブルの崩壊以来、天井で株や不動産を買った人の多くはまだ損をしている場合も多いでしょうから、資産運用に関して躊躇するのも仕方のないことなのかもしれません。しかし国の成長が望めない、「r>gの低成長国」に居住している今、運用を選択肢に入れざるを得ないと思います。

 

それでは、どうやって運用に取り組むべきでしょうか?

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本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり(2021年10月)、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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