2021年9月の水関連株式市場 (※写真はイメージです/PIXTA)

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

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9月の投資環境

9月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)は月間で下落しました。

 

世界の株式市場は、上旬は新型コロナウイルスのデルタ変異株の世界的な流行や8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことなどを受けて景気減速懸念が広がり、下落基調となりました。月後半は、米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でテーパリング開始は利上げへのカウントダウンを意味するわけではない旨の発言をしたことなどから上昇する場面もありましたが、中国不動産開発大手の債務不履行(デフォルト)懸念や米国における債務上限や増税などを巡る不透明感、世界的なインフレ圧力の高まりと金融緩和縮小への懸念などが下落要因となり、月間で下落となりました。

 

業種別では、エネルギーが上昇した一方、それ以外の業種は下落しました。中でも素材、情報技術、公益、コミュニケーション・サービスなどの下落率が大きくなりました。

 

水関連企業(現地通貨ベース)の株価は、株式市場が下落するなか、市場を上回る下落幅となりました。

 

環境マネジメント・サービスセクターは主にテトラ・テックおよびGFLエンバイロメンタルが貢献し上昇しました。テトラ・テックの本業である上下水道関連事業は引き続き好調であり、また、最近の異常気象を受け洪水制御や災害対応の事業の成長が加速していると見られます。環境エンジニアリング業界大手であり、2022年まで続くと見られる足元の環境需要増加の恩恵を受けています。GFLエンバイロメンタルは、2021年年初からの31もの大きな企業買収を行っており、株式公開時に提示した成長戦略の成功を実証しています。直近のPDC社の買収は、同社の再生可能エネルギー計画の一環である、埋立地での「ガスからエネルギーへ」プロジェクトの価値を高め、同社のビジネスを継続的に下支えすることにつながると見られています。

 

装置製造エンジニアリングセクターはモニタリング関連銘柄以外、市場を下回るパフォーマンスとなりました。サーモフィッシャーサイエンティフィックは2021年から2025年のガイダンスで、市場予想を上回る成長期待を発表したことを背景にプラスに寄与しました。

 

上下水道ビジネスセクターは下落したものの、サンパウロ州がサンパウロ州基礎衛生公社の持ち株会社の設立や民営化を含む同社の今後について検討していることが明らかになり、実現すればより株主を重視した経営となると期待されたサンパウロ州基礎衛生公社などの新興国のコンセッション銘柄が上昇しました。

 

円換算ベース、月次、期間:2011年9月末~2021年9月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧 問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2011年9月末~2021年9月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

 

月次、期間:2011年9月末~2021年9月末  ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 ※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移月次、期間:2011年9月末~2021年9月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

2021年の見通しについては、新型コロナワクチン接種の進展に伴う経済活動の再開期待等の高まりを受け、世界的に購買担当者景気指数(PMI)が堅調に推移するなど企業の景況感の改善が見られ、明るい見通しが広がっています。一方で、追加の経済対策や各国中央銀行による金融政策の変更について規模や時期に関する不透明感が懸念要因になっていくと考えています。加えて、インフレの上振れや価格上昇圧力が持続するかどうかや、米国の連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和策縮小や利上げに踏み切るタイミング、また、それがどのように株式のバリュエーションに影響を及ぼすか等、見極める必要があると考えます。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年9月の水関連株式市場』を参照)。

 

(2021年10月18日)

 

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ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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