バンバンと叩く…プロが答えた「ダメなケアマネ」の恐しい特徴

相沢 光一
バンバンと叩く…プロが答えた「ダメなケアマネ」の恐しい特徴
(※画像はイメージです/PIXTA)

介護が始まるときの利用者・介護者は不安でいっぱいです。そんなとき、自信たっぷりに「私に任せて」といってくれるケアマネは頼もしい存在に見えますが……。 ※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

コミュニケーション不足からトラブルも起きる

②以下は利用者・介護者にとってもっとも気になるポイント。ケアマネとの会話と、じっさいのケアに反映するうえでの能力の問題点です。

 

まず、②の「コミュニケーション能力」。

 

ケアマネは長い実務経験を経て、難関の国家試験という高いハードルを越えなければなれない専門職です。6割を占める介護福祉士出身者は、高齢者施設で長年働いた経歴をもっていますから、コミュニケーション能力は鍛えられているはずです。

 

また、ケアマネは、なってからも数多くの研修を受けなければなりません。そこでは傾聴をはじめとするコミュニケーションの手法をくり返し学んでいるといいます。しかしそれでも、利用者・介護者とのコミュニケーション不足からトラブルが起きるケースがあるそうです。

 

「世間一般の人よりはコミュニケーションのスキルは高いと思います。ただ、30人前後の利用者さんを担当しているというのがネックになるんです。満遍なく対応しようとするとキャパシティを超えてしまうわけです。

 

それでも、有能なケアマネはうまく乗り切っている。30人の利用者さんを担当しているとしても、つねに目配りをしておく必要があって、密にコミュニケーションをとらなければならないケースは10件あるかどうか。利用者さんの心身の状態が安定していて、介護する方もしっかりケアしている場合は、コミュニケーションにそう多くの時間を割かなくてもいいわけです。

 

また、利用者・介護者サイドにもコミュニケーションが上手な方がいます。現状のケアの課題やケアマネへの要望などを整理して伝え、こちらの説明や提案も理解してくれる。そんな利用者さんなら、コミュニケーションも簡潔にできるわけです」

 

といって、そうした物わかりのいい利用者を軽視しているというわけではありません。利用者の状態が急変したり、介護者が悩みを抱えているようであれば、たっぷりと時間をとって話を聞き、対応する。担当する利用者の状況に応じてコミュニケーションのとり方を変えるというメリハリを効かせることで、ケアの質を担保しているのです。

 

ケアマネの1日

 

■「任せてください」というケアマネに任せていい?

 

利用者とのコミュニケーションが上手くいくかどうかは③のケアマネの「性格・人間性」によっても左右されます。

 

「性格的に自分本位の人がいますよね。プライドが高くて独善的。そういう人がケアマネにもいるんです」

 

そんなタイプは利用者に対して、どのようなコミュニケーションをとるのでしょうか。

 

「利用者さんを『介護のことは何も知らない素人』として見て、上から目線で話をし、ケアプランを進めますね。私のやり方に従っていれば大丈夫、というわけです」

 

たしかに介護が始まるときは、利用者本人もその介護者も介護事情に疎い素人です。親が元気なときは、そんなことは考えもしないのですから、知らなくて当たり前。介護の入り口で案内役を務めるケアマネは、相手が素人であることを承知したうえで介護保険のシステムはもとより、どんなサービスがどの程度の負担で受けられるかや、今後の介護生活のことなどをわかりやすく説明しなければなりません。

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介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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