(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

9月のアジア・オセアニアリート市場は下落

■2021年9月のアジア・オセアニアのリート市場は下落しました。現地通貨ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは前月末比▲2.2%、香港は▲6.5%、シンガポールは▲1.2%、オーストラリアは▲1.9%でした。

 

■円ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは前月末比▲1.7%、香港は▲5.1%、シンガポールは▲0.5%、オーストラリアは▲1.5%となり、為替効果はプラスの寄与となりました。

 

(注)データは2020年1月1日~2021年10月8日。 S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、 現地通貨ベース。2020年1月1日を100として指数化。 (出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
各国・地域のリート指数の推移 (注)データは2020年1月1日~2021年10月8日。S&P先進国REIT指数の各国・地域REIT指数(配当込)、現地通貨ベース。2020年1月1日を100として指数化。
(出所)FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

中国企業の債務問題等が重し

■香港リート市場は、中国不動産大手の債務問題が不動産セクター全般に波及することへの警戒感から大幅に下落しました。

 

■シンガポールリート市場は、長期金利の上昇や中国不動産大手の債務問題に加えて、月末にかけて新型コロナウイルスの新規感染者が急増し再度行動制限が強化されたことから下落しました。

 

■オーストラリアリート市場は、オーストラリア準備銀行(RBA)総裁が早期の利上げ観測をけん制したことが好感されて月中は堅調に推移しましたが、月末にかけて長期金利の急上昇を受けて下落しました。

経済正常化から底堅い推移へ

■香港リート市場は、域内の景気は回復基調ながらも、中国における企業の債務問題や、景気減速、当局の規制強化等が重しとなり、一進一退の展開を想定します。

 

■シンガポールリート市場は、堅調な推移を想定します。新型コロナウイルスの重症化率が抑えられていることから、今後感染状況が落ち着いた際には行動制限の緩和が見込まれ、着実な経済再開が期待されます。

 

■オーストラリアリート市場は、目先は年初から上昇してきた反動に加えて量的緩和の段階的縮小開始により金利上昇が見込まれることから、利益確定のため売却される可能性が高まっています。しかし、良好なファンダメンタルズのもとで中期的には底堅い推移を予想します。2032年のブリスベン夏季五輪に向けたインフラ投資も長期的なプラス材料です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『アジア・オセアニアリート市場は下落』を参照)。

 

(2021年10月12日)

 

関連マーケットレポート

2021年10月7日 主要な資産の利回り比較(2021年9月)

2021年10月6日 豪中銀は金融政策を据え置き

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