10月におすすめなのはガーベラ
朝晩が少し肌寒く感じられ、秋が深まる10月。今月の花として選んだのはガーベラです。
お花屋さんで一年中購入することができるガーベラ。本来はこの時期9月10月と春が旬のお花です。元気でキュートなイメージの花として花束やアレンジのプレゼントとしても人気です。
キク科でお花がとても強いのが特徴的。きちんとした手入れをすれば何週間も持たせることができるため、忙しい病院にもピッタリです。
力強く咲くガーベラを飾ることで、患者様に活力を与えたい、元気になって欲しいという思いを込められます。
ガーベラには多種多様な色や見た目の種類があるので、待合室の雰囲気に合ったものを選ぶことも可能です。ただ上品で落ち着いた雰囲気を出したいのであれば、白をおすすめします。
今回のアレンジでは、季節感を取り入れるために大人ハロウィンをテーマにしました。子どもたちに人気のハロウィンを少しでも感じて、明るい気持ちになって欲しいというイメージで生けました。
ガーベラに癒される理由
ガーベラが人を癒すいちばんの理由は、その見た目です。花びらひとつひとつに力強さを感じさせ、その場をパッと明るくしてくれます。花の部分だけになっても咲き続ける生命力は、まるで周囲にいる人を励まそうとしているかのよう。
またガーベラの花言葉は色によって違うのですが、ネガティブなものがないのも癒される理由でしょう。ちなみに白のガーベラの花言葉は「希望」「前進」です。病院という場にこれ以上ないほどマッチしています。
ガーベラの基本的な生け方
かごの中に水を含ませた吸水性スポンジを入れ、そこにガーベラやその他の植物を挿していきます。ガーベラを主役として目立たせるためには、少しだけ茎を長く切り高低差をつけると良いです。
もちろん花器などに水を入れてそのまま挿すだけでも十分に楽しめます。この場合も、ガーベラの背がいちばん高くなるようにすると見栄えが良くなります。ガーベラは茎のラインも綺麗で楽しめるお花なので、透明で長めの花器を選ぶとより魅力を引き出せます。
白のガーベラの上品さ、高級感を際立出せるためには、周りを緑系の植物で囲んであげるのがおすすめです。ガーベラだけだとカジュアルになりすぎてしまうため、今回はミニバラも一緒に生けました。
ハロウィン感をだしたいのなら、お花の横にカボチャ(オモチャカボチャ)を何個か置くだけでも十分です。
ガーベラは本当に花が強く、花首だけになっても咲き続けます。手入れをしていく中で短くなりすぎてしまったり、誤って花首が取れてしまった場合は、花首だけをお皿などに浮かべるのも可愛いです。
そんなガーベラと一緒に生けるのにおすすめの植物を紹介します。
1:ミニバラ
1つ目はミニバラです。上品さや高級感を付け加えたいときに重宝します。今回はあくまでもガーベラが主役なので、ミニのバラにすることで主張しすぎないように工夫しています。
2:コンキュサーレ(緑のバラ)
2つ目はコンキュサーレ。これは緑のバラです。こちらもミニバラと同じく高級感を足したいときに使えます。
ミニバラもコンキュサーレもバラなので、茎には棘があります。扱うときには軍手をするか、先に棘の部分をハサミなどで切ってしまうとケガをする心配がありません。
3:バーゼリア
3つ目はバーゼリアです。丸くてコロコロとしており、見た目がとても可愛らしい植物です。可愛らしさを足したいときに使えます。
ミニバラもバーゼリアも同じ緑ですが、少しずつトーンの違う緑を入れることで全体に奥行きがでます。
4:ダスティミラー
4つ目はダスティミラー。日本名は白妙菊(しろたえぎく)と言います。昔から他の花を引き立てる花材として人気があります。葉に繊毛が密集しており、白い粉がかかったような緑が特徴的です。
いちばん下の部分に飾ることにより、落ち着いた雰囲気を醸し出し、全体を調和させる役割も担います。
5:ドラセナ
5つ目はドラセナです。大きく丈夫な葉のため、アレンジがしやすく多用されます。今回使ったものは縁取りが赤いですが、全体が緑のものもあります。
テーマである大人ハロウィンを意識し、遊び心を加えるために使いました。
ドラセナの葉は、写真のように折り畳みホッチキスで止めて使うことも多いです。この状態でも長持ちします。
6:カボチャ
6つ目はカボチャ(オモチャカボチャ)です。ハロウィンや10月と言えばカボチャをイメージする人も多いため、季節感を出すのにピッタリです。
この時期にはお花屋さんでハロウィン用のいろいろなカボチャが売っています。一つずつ形や色、大きさが違うので、2,3個を待合室に置いておくのもおすすめです。
特に手入れが必要なく、1,2か月はそのままにしておいても問題ありません。
「丁寧なお手入れで長く楽しむ」ガーベラのお手入れ
基本的にはお水は毎日替え、お水を替えるタイミングで茎を切る“切り戻し”をしてください。
お花は茎を斜めに切るのが基本ですが、ガーベラの場合は真っすぐに切ります。そのほうが水の吸い上げがよくなるからです。
水をたくさん吸うので、こまめに花瓶の水がなくなっていないか、吸水性スポンジがカラカラに乾いていないかをチェックしてあげてください。特にこれからの時期、暖房やエアコンをつけると空気が乾燥しやすくなるため注意が必要です。
ガーベラの花首が垂れてお辞儀をしているようになったときには、水が上手く吸い上げられていないサインです。
茎の部分だけを熱湯に数十秒つける“湯上げ”をしてあげると、水あげがよくなります。
ガーベラを使った簡単アレンジ
1:ガーベラとミニバラ、コンキュサーレ(緑のバラ)の茎をそれぞれ切ります。ガーベラの茎は真っすぐに、バラ2種の茎は斜めに切ります。このとき少しだけガーベラの茎を長めに切ってください。水に浸かる部分の葉っぱや棘は取り除いておきます。
2:ガーベラをメインとして花瓶に挿し、少し低めに2種のバラを生けます。
3:最後に全体のまとまりを見ながら、ガーベラの向きを調整していきます。ガーベラの茎は曲がっているものも真っすぐなものもあるため、どちらを向かせるのが良いか回転させながら生けると綺麗に生けられます。
周囲に明るさを与えてくれるガーベラ
ガーベラは元気さと清潔感を感じられる、日本人にとってなじみ深いお花です。花の生命力の強さは、待合室という場所やそこに来る患者様に活力を与えてくれます。
不安な思いに苛まれたとき、心身の弱さを感じたとき、お花を見て未来への「希望」を感じてもらえたらと祈っています。
三宅 かおり
Flower salon GENNY代表
G.Eternity代表