8月におすすめなのはトルコギキョウ
暑さが厳しい夏真っ盛りの8月。今月の花として選んだのは、トルコギキョウです。
最近ではお花屋さんなどで年中見かけるトルコギキョウ。本来は暑い夏8月、9月が旬のお花です。
見た目は華やかで、それでいて可愛らしさもあります。パープル、ホワイト、ピンクや花びらの中に二色の色が入るものなど、さまざまな色があります。待合室に飾るのであれば、落ち着いたパープルやホワイトがおすすめです。
実はトルコギキョウは品種改良が進められていて、花びらの形もさっぱりとした一重から、ヒラヒラとした八重まで多種多様。特に人気なのは、今回写真にあるような八重のものです。
香りはほとんどなく、使い勝手がよく丈夫。丁寧にお手入れすれば、夏の時期でも約2週間楽しめます。
キキョウの名前がついていますがキキョウ科ではなく、秋の七草で知られるキキョウの仲間とは異なります。名前の由来は、一重咲きのタイプがキキョウの花姿に似ているためです。
トルコという呼び名は、トルコの方が身につけるターバンに花姿が似ていることや、花色がトルコ石をイメージさせる、など諸説あります。
トルコギキョウに癒される理由
トルコギキョウが人を癒す一番の理由は、バラのような華やかさと可愛らしい見た目です。柔らかな花びらと優しい色の花を置くことで、待合室の緊張した雰囲気を和らげてくれます。
またパープルのトルコギキョウの花言葉は「希望」。病気を抱え不安な気持ちになっている人たちへ明るい未来を届けたいという祈りも込められます。
トルコギキョウの基本的な生け方
最初にメインにするトルコギキョウの色を決めます。複数の色の花を混ぜてしまうとまとまりがなくなるため、一色を選ぶことをおすすめします。
そのまま花器に挿すだけで十分楽しめますが、グリーンの植物を一緒にいれると涼やかなイメージに仕上がります。
花器はどんなものでも合いますが、暑い時期なので透明や白など、涼しげな色・素材のものを選ぶと良いでしょう。
トルコギキョウは茎が長いのが特徴です。すらりとした長さを活かしてアレンジするときは、重みがあって倒れにくい花器を選ぶのがポイントです。
お手入れの際に少しずつ茎をカットしていけば、より長くお花を楽しめます。最後に短く花首だけになったトルコギキョウを、小さいガラスに浮かべるように入れても可愛いらしいです。
トルコギキョウと相性の良い植物
そんなトルコギキョウと一緒に生けるのにおすすめの植物を紹介します。
1:ホワイトレースフラワー
1つ目はホワイトレースフラワーというお花です。小さな花と花の間に隙間があるため、透け感が楽しめるお花です。トルコギキョウよりも高めに生けることで、全体的に一体感がでます。パープルのトルコギキョウとあわせると、清潔感と爽やかさも出せます。
2:千日紅(せんにちこう)
2つ目は千日紅。トルコギキョウとは形が違うお花なので、アクセントを入れたいときに使います。シルエットにメリハリが出ますが、色は邪魔をしません。
3:フランボワーズ
3つ目はフランボワーズというお花です。全体的にグリーンを入れたいときに使います。お花の色だけだと全体的にぼんやりとした印象になってしまいますが、グリーンを入れることで全体にまとまりを出せます。
フランボワーズの葉は若干ギザギザとしているので、扱うときには軍手などをつけることをおすすめします。
「茎を切って長く楽しむ」トルコギキョウのお手入れ
トルコギキョウは丈夫なお花ですが、日々のお手入れは欠かせません。
お花は直射日光が当たらない場所を選んで飾ってください。エアコンの風が直接当たる場所は、水分が蒸発してしまい、切り花の日持ちが悪くなるため避けたほうが良いでしょう。
茎が水を吸いやすいので水は多めにして、しっかりつけてしまって大丈夫です。ただし葉っぱが水に浸かってしまうと、傷みやすくなるので注意してください。
水替えは基本的に毎日がベストです。水を替えるタイミングで「切り戻し」という作業をします。
「切り戻し」とは、茎の部分を少しずつハサミで切ることです。変色したり傷んでいる部分は切り落として、新鮮な切り口を保ちます。
トルコギキョウには茎に節があります。この部分でカットしてしまうと、水の吸い上げが悪くなるため、節は避けて切ってください。
水替えの際にお花の状態をよく観察し、咲き終わった花や枯れた葉も取り除いてあげてください。
数日間水替えができない場合などは、水に延命剤を入れると水が濁りにくくなります。
トルコギキョウを使った簡単アレンジ
1:まずトルコギキョウ、レースフラワー、フランボワーズを用意します。花器の縁の部分よりも下の葉っぱはハサミで取り除いておきます。トルコギキョウよりもレースフラワーの茎を少し長めに切っておくと、生けやすくなります。
2:お花の準備ができたら、トルコギキョウを花器にそのまま挿します。その後、高低差がでるようにレースフラワーを間に差し込んでいきます。
3:最後にフランボワーズを、縁取りをするように下の方に挿していきます。周りを囲むようにするとしまった印象になります。
メインとしてもサブとしても使えるトルコギキョウ
今回はトルコギキョウをメインとして使いましたが、実はサブとしても楽しめるお花です。
バラなど大きめのお花をメインにし、サブとしてトルコギキョウを持ってくると、柔らかく優しい印象がだせます。
夏の時期でも丈夫で長持ちするお花は、病院にもピッタリです。そのソフトな形と色合いが、患者さんの心に少しでも安らぎを与えてくれると嬉しく思います。
三宅 かおり
Flower salon GENNY代表
G.Eternity代表