履歴書の「書き方」で分かる応募者の性格
応募の次は面接です。面接は非常に重要ですが、初めて面接官を務める先生には、なかなか相手の良しあしが見極められないことも多いものです。そのため、外部ブレーンに同席を依頼することをおすすめします。先生が男性で結婚されているなら、奥さまにも同席してもらいましょう。
院長先生1人で判断するより、さまざまな立場の複数の人の目から見て、ふさわしい人材かどうかを判断したほうが、失敗を防げる可能性が高くなります。面接では、履歴書を提出してもらうことになります。この履歴書には多くの情報が詰まっているので、隅々までチェックします(下図表参照)。
[図表]
まずは学歴。学歴からは、その方の基本的な学力を推定することができます。有名校の出身だからといって、よい人材とは限りませんが、少なくともそのレベルの学校には入れる能力があることがわかります。また、勉強する習慣がある人材かどうかも推定できます。
続いて職歴です。職歴は採用するにあたって一番重要な情報となります。職歴からは、応募者の実力や職業に対する考え方がわかります。短期間で仕事を転々と変えている人は、雇ってもすぐ辞めてしまうケースが多く見受けられるため、注意してください。
履歴書の書き方からも、応募者の性格や注意力を知ることができます。履歴書は細心の注意を払って記入すべきものですが、にもかかわらず記入もれや誤字脱字が多い人は、採用しないほうが無難です。大ざっぱで注意力に欠ける性格であると予想されるからです。
NG応募者を見極めるポイントとは?
面接では、相手の第一印象を重視してください。面接の際、先生が感じた応募者の第一印象は、患者さんが受ける印象でもあるからです。暗く、覇気に欠ける印象だと、患者さんにも好感を持ってもらえないでしょう。医療の現場では、明るいばかりでなく、優しさが伝わってくるような第一印象の人が好まれます。
また、面接時の化粧や服装も重要なチェックポイントです。常識的にいって、面接にはナチュラルメイクで臨むものですが、それでも化粧が濃すぎる人や、髪の色が極端に明るすぎる人は考えものです。それでも人柄がよい場合などは、面接時に「採用後は化粧を薄くし、髪を地味な色にするのが条件ですが、大丈夫ですか?」と聞いてみるのもよいかもしれません。
シワだらけのシャツを着ていたり、ストッキングが伝線していたりと、どこかだらしなさがある人も、性格的に難がある可能性があるため、理想的な人材とはいえません。話し方や、話す内容も大事です。きちんとした言葉遣いができている人は、礼儀もきちんとしている人が多いもの。最近、敬語がわかっておらず、尊敬語と謙譲語がゴチャゴチャになっているような人も多いですが、それでは患者さんに眉をひそめられてしまいます。
また、話が長い人、前職の退職理由を質問したとき、以前の勤務先の悪口をいう人、労働条件などに対し、待っていましたといわんばかりに質問を浴びせかけてくるような人などは、避けたほうがよい人材です。面接で話すと、応募者の性格や知性、一般常識の有無などが見えてくるので、ここまで挙げたような点に注意しながら選考しましょう。
特に、会話・行動の端々に常識のなさが見え隠れする人は避けてください。たとえば、面接に遅刻するのは論外ですが、時間ギリギリに来るのもNGです。信じがたい話ですが、面接時にコートを脱がない人、あまりにラフな格好の人、携帯電話が鳴る人、引いた椅子を元に戻さない人もいます。
こうしたマナー違反を平然とやってのける人が、患者さんに失礼のない対応ができるでしょうか?もちろん、院長先生と性格的に合う人を採用するということも重要です。隙のないデキる人材でも、「何となく合わない」ということもあるかもしれません。自分の歯科医院ですから、自分が好きになれるスタッフを選ぶのは、当たり前のことです。常識があって、優しさがあって、性格も合う人なら満点です。