シリコンバレー流「事務的雑用の排除」が生むイノベーション ※画像はイメージです/PIXTA

米国で30年以上研究者として活躍し、現在はスタンフォード大学医学部で教鞭をとる筆者が、仕事を極限まで効率化して最大の成果を得る、具体的なビジネススキルを公開! 今回は、事務的雑用の排除がもたらす効果を解説します。※本連載は、スタンフォード大学教授、医学博士の西野精治氏の著書『スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術』(文藝春秋)より一部を抜粋・再編集したものです。

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テクノロジーの徹底活用で、仕事の方法は大きく変わる

IT発祥の地であるシリコンバレーは新しい機能をいち早く取り入れており、私が渡米した1987年の時点でも、スタンフォードではアップルのマックが主流でした。サンノゼに本社があるアドビシステムズがPDFの最初のモデルを作ったのは1993年です。アメリカの研究の世界ではあっという間に普及しました。論文はPDFでデータ化され、紙に刷らないオンラインジャーナルも増えて、紙の雑誌であっても電子版でいくらでもバックナンバーが閲覧できます。速報誌の形態も変わり、proof(校正刷り)の最終確認が終わったものから順次発行され、「号」や、「巻」の概念は希薄になり、スピードを重視するがゆえに発表の日付が優先されるようになってきました。

 

かつて書類整理は一苦労でしたが、1996年に誕生したクラウドコンピューティングがスタンフォードで活用され始めたのは2000年代の初め。私は、PDF化された論文の整理は、無料ソフトであったiPaperという管理ソフトを長らく使っていました。そのユーザーインターフェイスはiTunesと全く同じで、任意のフォルダーを作成し、iTunesの楽曲と同様に同じ論文を複数のフォルダーに入れて管理することもできます。それ以前は、重要な論文は複数コピーして、関連のあるすべてのフォルダーにしまい込んだりしていたのですが、そういった作業も省略されました。なにより、4段や5段もある幅1メートル20センチの鉄のファイルキャビネット複数個に収納されていた論文をクラウドに置いて、どの端末からでも、検索、閲覧、整理、印刷がほぼ無料でできるので夢のような話です。

 

今では、iCloud、Googleドライブ、Dropboxなど多くのサービスが登場し、書庫いっぱいの書類や、集計データや画像データ、動画、講演データも端末さえあれば遠隔でアクセスできるので非常に便利です。私も一度、講演に使っていたマックに講演直前に不具合が起こり、iPhoneからDropboxのパワーポイントデータを開いてiPhoneで講演を続けたことがあります。アニメーションも動画も可能で、iOSのパワーポイントの方がマックより安定している可能性もあるので、今後はiPhoneで講演を行おうかとも思っています。

 

スケジュール調整アプリも90年代終わりには普通に使われていました。お互いに都合を連絡し合うよりもGoogleカレンダーやDoodleのように、参加者がそれぞれウェブ上のカレンダーに自分の都合を記入していくのですから一目瞭然。参加者が多いときは非常に便利です。このようなシンプルで使いやすいサービスはどんどん活用していけばいいことは言うまでもありません。

 

もちろん、こうしたサービスは日本でもかなり取り入れられていると思いますが、「若い人やIT好きの人のもの」とされているなら残念です。新型コロナウイルスの世界的流行により外出自粛を余儀なくされた今、テレワークに必要なSkypeやZoomといったビデオ通話機能を使いこなしているかどうかで、働き方も変わってきます。

「メールは4行以内」を心がけるべき理由

コロナ感染に関連して、スタンフォードでは「デジタル・スワブ(綿棒)」というシステムを取り入れています。私も最初は何のことか分からなかったのですが、実は、滅菌スワブを用いて検体を採取するのではなく、携帯等で、毎日大学に来る前に、1分程度でおわる問診票(体温や、症状の有無、感染者との接触など)に入力して大学に入ってよいかを判定するシステムで、まだ試行段階であるものの、かなりの確率でリスクのある人を抽出できるようです。

 

解析方法の詳細はわからないものの、数日間の動向、前日からの変化、位置情報や、働いているビルディングの情報等も含めてAIを使って判定しているものと思われます。こういう方法で、職場での感染を防ぎ、ハイリスク者のPCR検査への誘導や、逆に不必要なスワブ検査を減らす効果も期待できます。このヘルスサーベイは、学内だけでなく、全国的にもデータを収集して、実際発症すると、病院を訪れる前にどういった症状や徴候が現れるかの調査や、各地域での感染状態の動向の判定にも役立ちます。しかも各自自分の携帯を使うので、システム構築は大変ですが、それ以外は費用がかかりません。

 

また、便利であるからこそ、ITは「使いすぎない」ことも大切です。メールはせいぜい4行以内で簡潔にするのがシリコンバレー流。最後まで読まない人も多いので、挨拶が上にあって下に用件があると、肝心なことが伝わらない危険があります。

 

引き続き同じ人とメールをやりとりする場合は、宛名も挨拶もなしで用件のみ、自分の名前も、ファースト・ネームから、頭文字一字になり、ついには名前も省略する場合が多いです。あえて「よろしくお願いします」の意味で、ThanksやThxを文末につけますが、これもどんどん簡略化されています。まるでメッセンジャーのような使い方になっていますが、とはいっても添付書類や、セキュリティの問題があるので仕事では公式のアカウントでのメールでのやり取りが主流です。またなにより重要なことは、公式のアカウントでのメールのやり取りはすべてサーバーに保管されていますので、不正防止やコンプライアンス維持には非常に有効です。

 

 

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スタンフォード大学 医学部精神科 教授 医学博士 医師
スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNL)所長
日本睡眠学会専門医、米国睡眠学会誌、「SLEEP」編集委員
日本睡眠学会誌、「Biological Rhythm and Sleep」編集委員

1955年、大阪府出身。大阪医科大学卒業。1987年、大阪医科大学大学院4年在学中、スタンフォード大学精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。2000年にはナルコレプシーの発生メカニズムを突き止めた。2005年にSCNLの所長に就任。2007年、日本人として初めてスタンフォード大学医学部教授となる。

睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究している。

33万部のベストセラーになった著者の初作、『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)は、10カ国語に訳され、世界中でも広く読まれている。最新の著書は、2020年9月に文藝春秋より刊行された『スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術』。スタンフォード大学教授だからこそ発信できる希少情報が話題に。

※西野教授の理論をもとに開発された枕も好評。「BRAIN SLEEP PILLOW」

著者紹介

連載スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術

スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術

スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術

西野 精治

文藝春秋

スタンフォード大学で学んだ著者が説く、仕事術! 著者がアメリカトップの大学の一つであるスタンフォードの門を叩いたのは1987年のこと。それから多くの蒙を啓かれること30年余、真の成果主義や個人主義について学びました…

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