日本の転職市場において、成功の難易度は「職種」によってほぼ確定してしまうといいます。転職が成功しやすい職種とは? 大手転職サイトの元編集長、黒田真行氏が解説します。※本連載は、黒田真行氏の著書『35歳からの後悔しない転職ノート』を一部抜粋・再編集したものです。
転職の成功率が「高い職種」と「低い職種」【大手転職サイト元編集長が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

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転職が難しい「供給過多の職種」とは、どんなものか

転職市場でもメカニズムが働くのは、需要と供給のバランスです。転職したい人がたくさんいる職種や会社は、どうしても条件が厳しくなる。30代以上の転職支援で、最も多い悩みの内容は「希望する会社に応募しても、なぜかことごとく不採用になる」「応募したいと思う会社が見つからない」というものです。

 

逆に、人材を募集している会社からいただく悩みは、「応募者がまったく集まらない」「応募者はいても、魅力的な人材がいない」といったものがほとんどだったりします。

 

人材を求める会社側と求職者のミスマッチがなぜ、こんなに多いのか。それは、「欲望の二重の一致」が起こりにくい転職市場の構造があるからです。

 

転職市場におけるミスマッチは、企業側・求職者側双方にとって悩ましい課題ですが、これは職種によってとても大きなばらつきがあるのです。職種以外でも、

 

企業側=「地域」「企業規模」「知名度」「業種」

求職者側=「学歴」「経験年数」「スキル・資格」「転職回数」「退職理由」

 

など、多様な因子があります。ミスマッチを生む最も大きな因子は、「職種ごとに異なる需給バランス」にあります。

 

つまり、仕事を探す求職者側の視点であれば、「どんな職種で仕事を探すか?」を決めた時点で、転職成功の難易度はほぼ確定してしまう、といっても過言ではありません。

 

これを、需給バランスや需給の量、仕事の性質でシンプルに分けると、[図表1]のような4分類になります。

 

[図表1]転職における4分類