(※画像はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルス感染拡大により、救急出動は件数・搬送人員ともに増加の一途を辿っています。本記事では、理由や、年齢別に「救急搬送」についてみていきます。

救急搬送数最多の「高齢者」搬送人員の割合は?

少子高齢化が進むなか、高齢者の救急患者が増加しています。厚生労働省HPによると、救急患者の定義は「通常の診療時間外の傷病者及び緊急的に医療を必要とする傷病者」となっており、これらの救急患者に対し、医療を提供する医療機関を救急医療機関と呼びます。

 

平成11年の調査では搬送人員割合は全体の36.9%(青年層に次いで2位)でしたが、令和元年の調査では60.0%と、全体の半数以上を占めています(令和2年版『救急・救助の現況』速報)。平成27年の国勢調査を見ると、高齢者の人口割合(高齢化率)は26.6%なので、高齢者の約9人に1人が搬送されていることになります。

 

年齢区分別の搬送人員ランキング

1位:高齢者(60%)
2位:成人(31.7%)
3位:乳幼児(4.7%)
4位:少年(3.7%)
5位:新生児(0.2%)

 

さらに、満65歳以上の高齢者を年齢段階別の割合でみると、搬送人員に占める割合が最も多かったのは満75歳から満84歳まで、全体の23.5%となりました。

「新型コロナウイルス」の影響で救急現場の負担は増加

令和2年中の救急出動による搬送人員は約529万人と、元年までの増加傾向から減少に転じたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で、救急現場の負担は「コロナ禍以前」より増大していることは明らかです。

 

また、上述したように、高齢者の救急搬送は増加が続いており、今後、高齢化が進むにつれてさらに割合を増していくでしょう。

 

消防庁は、救急車の適正利用(適時・適切な利用)は、継続して検討すべき課題であるとして、救急車が「緊急性の高い症状の傷病者」のもとに可能な限り迅速に到着できるよう、電話相談窓口「救急安心センター事業(♯7119)」の全国展開を推進しています。

 

そのほか、消防庁発の全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」はご存じでしょうか。病気やけがの際に、住民自らが行う緊急度判定を支援し、利用できる医療機関や受診手段の情報を提供するWeb版・スマートフォン版アプリです。該当する症状を選択していくことで、緊急度に応じた対応が表示されます。

 

今後、高齢化が続く日本では、増加が続く緊急搬送への対応が大きな課題となることは間違いないでしょう。

 

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