国が予算1兆円を投じて成立させた「事業再構築補助金」。いざ補助金を申請しても、入金されるまでに期間を要するため、経営者は申請から入金までの時期の資金繰りに頭を悩ませます。そのような課題を解決すると期待される「補助金対応POファイナンス」について、当サービスを提供するTranzax株式会社代表の大塚博之氏が講師を務めたセミナーを基に、全2回で紹介します。後編となる今回は、POファイナンスの特徴や具体的な活用方法を見ていきます。

POファイナンスの活用に伴い発生する事務手続き

続いて、補助事業の流れに沿って、POファイナンスを利用する事業者に発生する実務の流れを示していきます。

 

まずはPOファイナンスの利用者登録を行います。登録は無料であるため、採択されたら、なるべく早く手続きを完了しておきましょう。手続きには1~2週間かかります。

 

必要な書類は、WEB上で作成した利用申込書、取引担当者本人確認書類、履歴事項全部証明書の写しの計3点です。後者2点は、犯罪収益移転防止法(犯収法)の関係で、警察から要請されているもので、銀行に口座をつくるときと同じような書類が必要になります。

 

次に、Tranzaxの提携金融機関に融資の相談を行います。できれば「既にPOファイナンスを利用するための手続きは済ませてあります」といえる状況にあった方が、金融機関も選択肢が増えるため、審査しやすいと思います。

 

金融機関は新規取引の場合、審査におよそ1ヵ月から1ヵ月半ほどかかると思います。事業進捗や経費支払のスケジュールに合わせて余裕をもって相談に行ってください。ここまでが利用開始までの準備段階です。

 

次に、金融機関の融資審査が通った後の手続きです。事業者は、同意書(Tranzaxへの委託と但し書き)と交付決定通知の写しをTranzaxに送付してください。

 

写しに記載のある金額をもとにTranzaxと中小企業基盤整備機構との間で、電子記録債権を発生させて、それを譲渡記録することで融資が実行されます。

 

細かい話ですが、補助金の振込先の口座番号をTranzaxが採番し、事業者に連絡します。その後、請求書を出す前に、もう一度、確認のために口座番号を連絡します。

 

融資が実行されたら、ここで初めてTranzaxのファシリティ利用料が発生します。請求書が登録メールアドレス宛に届くため、利用料をお振込みください。

 

ここで、事業者はつなぎ資金を元手に、事業再構築(補助事業)を開始します。事業が完了したら、事業報告を提出し、その内容を中小企業基盤整備機構(事務局)が検査します。

 

検査が受かったら、交付確定の通知が届きます。交付確定が届いたら、補助金交付の請求書を事務局に送付しますが、その際、Tranzaxが指定した口座番号を間違えずに記入してください。ついうっかり、自分の口座番号を書いてしまったら、振り込みが停止されてしまいます。

 

また、請求書を送付したら、Tranzax側に事務作業が発生しますので、請求書を事務局に送付した旨をメールしてください。

 

補助金が振り込まれ次第、融資が返済され、電子記録債権は消滅し、一連の流れはこれで終了となります。

 

仮に、交付決定時の額が1,000万円で融資が800万円、交付確定額が1,000万円であった場合は、残額200万円は、決済銀行を通じて、事業者が指定した銀行口座に入金されます。これで、手続きの流れの説明は終わりです。

 

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