■債券は、欧米において利回りが上昇しました。米国では資産購入の縮小(テーパリング)の開始時期が意識される中、長期金利は一時大きく上昇しました。その後、月末に行われたジャクソンホール会議で米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、年内のテーパリング開始を示唆しながらも、早期の利上げに慎重な姿勢を見せたこと等から、債券利回りの上昇幅はやや縮まりました。また欧州では、米国の長期金利上昇や投資家のリスク選好姿勢の高まりを背景に、債券利回りが上昇しました。
■株式は、米国や日本では好調な企業業績を背景に株価が上昇し、小幅ながら配当利回りが低下しました。日本では、新型コロナウイルスの感染拡大により、月前半は年初来安値を切り下げる展開となりました。しかし月後半には、好調な企業業績に加えて、自民党総裁選挙に向けた政局の変化等から、株価は上昇に転じ、月間では株価は上昇しました。
■リートは、米国では利上げへの懸念後退等からリート価格が月末に上昇に転じ、配当利回りが低下しました。一方、その他の市場ではリート価格の下落等により、配当利回りが上昇しました。豪州では、リート価格は大きく上昇しましたが、増配も見られたため、配当利回りが上昇しました。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『主要な資産の利回り比較(2021年8月)』を参照)。
(2021年9月9日)
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