いいケアマネ、御用聞きケアマネの「目線の高さ」はこう違う (※画像はイメージです/PIXTA)

ケアマネのなかには、利用者・介護者のニーズに応えてくれない人、相談したいのに親切に対応してくれない人、困っていることも解決してくれない人もじつはけっこういるという。どうしたらいいのか。※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

ダメなケアマネは「少し上から目線」を維持

■頼れるケアマネは「目線の高さ」が同じ

 

「上から目線」という言葉があります。相手がこちらを見下したように偉そうな態度を取ることです。相手が会社の上司なら明らかに立場は上ですから、それも受け入れるしかありませんが、初対面でどっちが上かわからないのに「上から目線」の態度をとられると腹が立ちます。

 

ただ、コミュニケーションは微妙な上下関係で成り立っていることも事実。誰もが、それを探りながら話をしたり、つき合っているわけです。

 

ケアマネと利用者・介護者の関係も、それに当てはまります。

 

介護が始まるときは、ケアマネが「少し上」の目線の状態にあるといえるでしょう。要介護になれば、本人も、介護する家族も、介護保険適用のサービスを受けなければ生活していけません。役所にSOSを出し、それに応じてサポートしにやってくるのがケアマネなのです。

 

また、介護にかんする知識もありませんから、すべて教えを乞わなければなりません。どう見たって立場はケアマネが上になるわけです。

 

ただ、介護サービスは誰もが平等に受ける権利をもち、ケアマネは公正中立の姿勢でそれを提供する職務です。だから、立場的に上ということではなく、コミュニケーションをとる関係性で少し上からの目線という感じです。

 

ダメなケアマネは、この「少し上から目線」の関係性を維持しようとします。ダメなケアマネにありがちな欠点として「上から目線で語る」「利用者や家族を素人として決めつけている」「自分が正しいと思いこんでいる」といった特徴の持ち主です。

 

自分が少し上にいれば、ケアプランをつくることから始まって介護サービスを継続するうえでも主導権を握りつづけることができます。この関係性をキープすれば、利用者・介護者がサービス等に不満を感じても、なかなかいい出せません。いわれなければ、ケアプランを見直す必要もなく、仕事はラクになるわけです。

 

利用者・介護者はケアマネに対し、漠然とした遠慮があって要望が出しにくいものですが、それは「少し上から目線」をキープしているケアマネがいかに多いかということを示しています。

 

しかし、良いケアマネは違います。介護が始まるときは利用者・介護者が心理的に「少し下から目線」にあるため、それに従ってケアマネも「少し上から目線」で対応せざるをえませんが、コミュニケーションを重かさねながらみずから目線を下げていき、同じ目線の位置、フラットな状態までもっていくというのです。

 

「どちらが上でも下でもないフラットな関係になって、初めて利用者さんも家族もケアマネに質問をしたり要望を伝えることができるようになるからです。また、こちらからのアドバイスも、『こうしなさい』というのではなく、『こんな方法もありますよ、試してみたらいかがですか?』といったふうにいえば、受け入れられやすくなります。こうした関係性になることで課題が見つかり、ケアプランの見直しやサービスの改善にもつながる。介護をより良いものにするには、ケアマネと利用者・介護者が同じ目線になることが不可欠なんです」

フリーライター

1956年、埼玉県生まれ。明治大学法学部中退。スポーツやビジネス分野を中心に取材・執筆活動を展開してきたフリーライター。父親介護の体験を機に、高齢者介護のあらゆる問題を社会と個人の両面から精力的に取材。現場のリアルを『PRESIDENT Online』で発表している。また、『DIAMOND online』ではスポーツのコラムを執筆中。

著者紹介

連載「頼れるケアマネ」と「問題なケアマネ」の見分け方

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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