医師は「もう少し考えて」と言うが…自宅介護と家族愛のリアル (※写真はイメージです/PIXTA)

施設での介護をすすめる医師。その思いは、家族の負担を減らすことにあったのでしょう。しかし、負担を減らすことで常に緊張した状態から解放される反面、家族との別離も意味します。介護というのは、肉体的にも精神的にも激しい消耗が混在する大変なことなのですが、その場で答えられるようなものではないのです。

医師限定メルマガ「GGO for Doctor」▶︎▶︎
 
【医師限定/参加特典付】1時間で不動産投資の“すべて”がわかるWEBセミナー

自宅介護を家族と支え合う選択は決して楽ではない

世の中には、さまざまな家族構成があります。祖父・祖母が同居している家もあれば、離れたところで暮らしているケースもあり、それぞれの環境や事情には大きな違いがあるものです。医師から告げられた専門施設での介護、という選択をどうするのか、という問題は、機械的あるいは効率的に考えたのであれば、即答で受け入れられるものなのでしょう。しかし、家族には思いがあり、そこには感情が存在します。それゆえ選択を迫られたときにはいろいろと考え、悩むものなのかもしれません。

 

実家へ向かう車のなかで、最初に思ったこと。それは、常にそばで介護をしている母のことでした。母自身も高齢であり、毎日ヘルパーさんが来てくださっているとはいえ、夜中にトイレや鼻が痒いといって一番起こされるのも母です。そのことを考えると、施設に預けて介護をしたほうがいいのではないか、とも思えました。家に帰りたいという父の気持ちと高齢の母。この2つを天秤にかけること自体、ナンセンスな気がしました。また、私たち兄弟の父への思いもあり、アリ地獄にはまったような抜け出せない気分でした。

 

疲れてしまっていたこともあり、夕飯は実家で出前を頼んだと思います。みんなで食事をしながら、母が最初に言った言葉。その言葉で、全員の覚悟は決まりました。

 

「お父さん、これまで家族のためにこの家を建てて、ずっと働いてきてくれたんだよね。私は最後まで、家で面倒を看てやりたいよ。家に帰りたいっていう願いくらい、叶えてあげたいよ」

家族で話し合い、出した答え

翌日、私たちは見舞いで父の部屋に立ち寄ったあと、先生のもとへと行きました。そして、家族で話し合い、出した答えを伝えました。それは、これまで以上に協力し合いながら、自宅での介護を続ける、というものでした。自宅での介護は、いろいろな機械や人工呼吸器などをそろえる必要があります。また、たとえ揃ったとしても、病院のような高性能のものではなく、24時間体制で医療従事者がいるわけでもありません。さまざまなリスクを背負いながら、そしてさらに厳しくなる精神的・肉体的な消耗もあるのです。

 

医師も最初は、もう少し考えてみてください、結論は今すぐではなくてもいいですから、とおっしゃってくれました。しかし、たとえそれがイバラの道であったとしても、父と母を最後までいっしょに生活させてあげたい気持ちが私たち家族のなかで確固たるものとなっていました。不治の病に侵されただけでなく最後は夫婦別離では、二重の悲劇にしか思えなかったのです。

 

正直に言って、この決断が一般的に正しいことなのか、間違っていることなのかは未だにわかりません。後日、ある知り合いからは、施設に預けたほうがいい、今はそういう時代なんだから、とも言われました。ただ言えることは、さまざまな選択肢やアドバイスがあるなかで、自分たちの根底にある気持ちに嘘をつかないこと、ではないかと思います。そうして選択した答えであれば、少なくとも自分たちの行動にしてしまう後悔は少ないように感じます。

 

 

医師限定メルマガ「GGO for Doctor」▶︎▶︎
 
【医師限定/参加特典付】1時間で不動産投資の“すべて”がわかるWEBセミナー

建設会社で現場管理職を12年勤める。交通事故での負傷を機に出版業界へ転職。フリーのライターとして活動後、組織化して編集プロダクションOFFICE-SANGAを主宰する。少数精鋭のスタッフと、ネットワークで結ばれた外部協力スタッフとの連携を事務所の核としながら、自らも現場を精力的にこなす。『現場監督が暴く! 欠陥マンションの簡単な見抜き方』(ブックマン社)など著書・編著多数。

著者紹介

連載自宅介護の現実「ある家族の8年間の戦い」

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧