「未収家賃」がある場合に何をすべきか?
未収家賃は、支払ってもらえないからといって相続税の課税対象から除外することはできません。滞納が長引いて未収家賃が多額にのぼれば、受け取ってもいないお金に対して多額の相続税がかかる状況になります。
このようなことにならないように、未収家賃がある場合はそれを解消するように努める必要があります。具体的には、次のような流れで進めます。
1.内容証明郵便で督促状を送る
2.法的な手続きで回収する(簡易裁判所の支払督促、少額訴訟)
3.敷金を充当する
4.貸し倒れを計上する
まず、内容証明郵便で督促状を送るなどして未収家賃を回収することを入居者あるいは保証人に伝えます。この時点から弁護士に相談して、弁護士の名前で督促状を送ると有効です。
それでも家賃が支払われない場合は、法的な手続きで回収することを検討します。未収家賃を早く回収するためまたは費用の面からも、正式な訴訟ではなく簡易裁判所の支払督促や少額訴訟を利用することになります。
回収の見込みがない場合は、賃貸借契約が継続している途中であっても敷金を充当することができます。敷金を充当してもまだ足りない場合は、回収をあきらめて貸し倒れを計上することになります。
未収家賃を回収する一連の手続きは弁護士に依頼することをおすすめします。入居者と契約するときから保証会社を通しておくと、保証会社がこれらの手続きを代行するためいざというときに便利です。
賃貸物件がある場合の相続税申告
未収家賃や相続税の課税対象になることやその範囲など解説してきましたが、相続財産に賃貸物件がある場合の相続税申告は、未収家賃の有無に関わらず税理士に依頼することがおススメです。
賃貸物件の場合、評価額を下げるための様々な特例や計算方法があり、それらを網羅しつつミスなく適用しないと相続税の納めすぎや過少申告による税務署からの指摘に繋がってしまうためです。
上記をきちんと考慮した申告をしてもらうためには、相続税申告の経験豊富な税理士をきちんと見極めることも大切です。