フードロス削減は「労働時間」も減らすことができる
フードロスは、いま社会的に注目されている課題です。
農林水産省の統計によると、2015年度、日本でまだ食べられるのに廃棄された食品の推計値はおよそ646万トン。国民一人あたりに換算すると、毎日お茶腕約1杯分の食べものが捨てられていることになります。
率直に、もったいないと思いませんか?
佰食屋がフードロス問題に取り組むようになったのは、「社会にいいことをしよう」と、意識していたわけではありません。ただ「もったいない」という気持ちに正直に従っただけです。それは、筆者の主婦としての素直な感覚だったのかもしれません。
家でごはんをつくるとき、まだ食べられるものを捨てたりしませんよね。残ったごはんは冷凍するし、すじ肉は大根と炊いて、すじ煮込みにする。それと同じ感覚です。いま、佰食屋の取り組みに注目した京都大学の研究チームが「なぜ佰食屋はほとんどフードロスを出さないのか」「フードロス削減が企業の利益にどう影響するのか」を研究するため、各店舗から出るゴミを回収して分析してくださっています。
そして、フードロスを削減することは、環境にいいだけではありませんでした。わたしたちの労働時間をも削減することができたのです。
営業時間中、13時半を過ぎると、そろそろ100食の目処が見えてきます。残り20食分の下準備を終わって、ごはんも炊いたら、どんどん次の日へ向けて仕込みをはじめます。いたずらにいつまで来られるかわからないお客様を待つ必要はありません。
ステーキソースをフランベしたり、肉寿司の軍艦巻きに使う肉そぼろをつくったり…。今日できることはどんどんやっておきます。明日のわたしたちが、少しでもラクできるように。すると結果的に、労働時間をどんどん短くすることができるのです。
これがもし、100食という上限がなく、いつまでも営業時間がつづくお店であれば、なかなか日中から明日の仕込みをする、なんてことは難しいですよね。
中村 朱美
株式会社minitts
代表取締役
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