どんなに忙しくても社員のやる気が上がるのはなぜか
佰食屋で働く従業員にとって、目標はたった1つです。「1日100食売ること。そしてそのなかで、来られたお客様を最大限幸せにすること」。たったこれだけです。
100食を達成するために、みんなが一丸となって視線を合わせながら、仕事を行います。90食を超えるあたりになると、あと10食、9食、8食……とカウントダウン。そして、最後の100食目を達成すると、「今日もいけたね!」とみんなで讃え合う。
営業時間の終わりにそんな爽快な気分が生まれます。しかも、これが「毎日」です。この雰囲気がお客様にも伝わったのか、とあるウェブサイトに嬉しい書き込みがありました。
「お客様も多くて忙しそうだけど、みんなイライラしたり、バタバタしたりしているわけじゃない。テキパキとしていて、まるでサッカーをしているような連携があって、それぞれ楽しそうにパスを回しているみたい」。
まさに、佰食屋が目指している姿でした。朝9時半から整理券を配りはじめて、一気に100枚配り終えてしまう日もあります。そんな日は「どんなお客様が何時に来られるか」を朝のうちからみんなわかっています。
ですから、わたしが「いい接客をしてね」と言わずとも、従業員みんなが心に余裕を持って接客することができます。12時に1歳のお子様がいるご家族が来られる、とわかっていれば、到着される前に子ども用の椅子を設置してお待ちすることもできます。
店員に言わなくても子ども用の椅子が置いてあるって、自分がお客様の立場だったらとても嬉しいことですよね。佰食屋では「従業員のモチベーションアップを図るには」なんて考えたことがありません。
お客様がひっきりなしに来られて忙しいときでも、100食まで、という「終わり」が見えているので、最後のお客様に「本日完売です!ありがとうございました!」とテンションを上げてご挨拶ができる。お客様に、心からのありがとうを贈ることができるのです。