(※画像はイメージです/PIXTA)

中高一貫の灘校に入学して、「大学受験までの6年間のペース配分」という発想があることを和田秀樹氏は知ったという。つまり、6年間の過ごし方を灘校式にすれば東大合格に有効なのです。6年間のトータルで東大受験に必要な学力を身につけるという発想と学習習慣が東大合格を約束することになるという。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

暗記数学は、基礎学力があってはじめて成立する

■基本は「中学受験」の基礎学力

 

私は長年にわたって「数学は暗記だ」と唱えてきました。

 

ここにも誤解があり、「解法を丸暗記しなければならない」と考えている人がたくさんいます。

 

しかし、東大合格者でも10行くらいの長い式を丸暗記できるわけではありません。

 

暗記するうえで「なぜそうなっていくのか」という理屈がわかるというのが絶対的な条件になります。理解できていれば、10行でも20行でも解答は覚えられますが、理解していなければお手上げだからです。つまり、暗記数学は、基礎学力があって、はじめて成立する勉強のやり方ということです。

 

基礎学力をつける中学校受験は重要になってくるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
基礎学力をつける中学校受験は重要になってくるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

これは数学に限らず国語も同じです。

 

中学受験の国語では、「それ」というのが何を指すのか、この段落とこの段落をつなぐ接続詞は「しかし」なのか「それで」なのかといった、基礎的な読解のトレーニングが要求されます。基礎的な読解のトレーニングを身につけておくと、文章が高度になっても対応できます。

 

しかし、こうしたトレーニングに取り組めるのは、小学生の間では、中学受験塾くらいでしょう。

 

小学校の国語の授業では、「○×君はこのように思っていた」などと漫然と解説するだけなので、読解のトレーニングをしている子との差が圧倒的についてしまうのです。

 

受験生は、「東大合格者がみんな使っている参考書がある」と言われると、無条件に飛びつく傾向があります。

 

ここで参考書に取り組んでも結果が出ない受験生は、自分に実力がないと考えます。

 

「やっぱり東大に合格するような人は最初から頭の出来が違うんだ」などと、あきらめモードになるのです。

 

しかし、それは根本的に間違っています。

 

ポイントは、もっとずっと手前の「基礎学力」にあります。それがないから、かなりわかりやすい参考書を読んでも理解できないのです。

 

中学受験は、基礎学力を身につける機会として有効に機能しています。必然的に、中学受験をする子どもが多い都市圏が有利なのは否めません。

 

逆にいえば、中学受験を経験していない子は、まず中学受験時の基礎学力を身につける必要があります。

 

たとえば、前述の磐城緑蔭中学校の場合、中1の1学期は徹底的に中学受験用の計算問題や国語の読解問題に取り組んでもらうようにしています。英語であれ、数学であれ、国語であれ、この基礎学力を身につけるという過程が重要なのです。

 

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公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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