「頼れるケアマネ」は近所のオバちゃんが知っているという盲点

相沢 光一
「頼れるケアマネ」は近所のオバちゃんが知っているという盲点
(※画像はイメージです/PIXTA)

ケアマネの良し悪しの情報は誰から聞いたらいいのでしょう。とくに適任なのは、すでに介護を終えた女性が近所にいるもので、世話好きの近所のオバちゃんに聞くのも一つの手だという。※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

福祉用具レンタルの担当者は貴重な情報源

そういえば「オバちゃんルートの情報源」も、探すのは近所づき合いのある女性のほうが有利です。ケアラーズカフェは「男性介護者ウェルカム」ですから、思い切って行ってみればいいのですが、それができない人は、ケアマネにかんすることが聞ける情報源が見つからなくなってしまいます。それでも、ベテランケアマネが男性介護者にとって良き情報源になり得る存在を教えてくれました。それは、福祉用具レンタルの担当者です。

 

「福祉用具レンタルの担当者は、ケアマネがつくるサービスチームの一員ではありますが、ほかのサービス事業者とはケアマネとのかかわり方が異なります。ヘルパーさんや訪問看護師さんなどはケアマネと連絡を取り合い、仕事内容のチェックも受ける関係で距離が近いんです。

 

いっぽう、レンタル担当者は介護が始まったときに連絡を受けて介護用ベッドの契約、搬入、あるいは利用者さんの状態の変化に応じて車椅子や室内用トイレをもってくるといったようにかかわるのは必要のあるときだけで、一定の距離感があるんです。数多くのケアマネの仕事に接し、客観的に見ることができる立場にあるともいえます。

 

また、重い用具を搬入する関係で男性が多い。用具のグレードや使用法を説明する必要がありますから、営業的センスも求められます。男性介護者にとってサービスチームのなかではもっともざっくばらんに話ができる相手なんです」

 

もちろん用具レンタルの担当者も守秘義務があるわけですから、口が軽いというわけではありません。

 

「でも、男同士、雑談を交えて会話を重ねることによって親しくなります。長いつき合いになれば信頼関係も生まれる。それとなくケアマネのことも聞けるわけです。聞き方にもよりますけどね。ケアマネの良し悪しを直截に聞くのではなく、たとえば一般論として『ケアマネによって仕事がやりやすかったり、やりにくかったりすることはあるんですか?』と聞く。そんなふうに話を進めていって、『ウチの担当ケアマネはどうですか?』という質問にもっていくんです。はっきり答えてくれないかもしれませんが、その反応に評価は表れるはずです」

 

じっさい、私がケアマネの評価を知り得たのは、用具レンタル担当者との会話からでした。

 

私の父を担当したのは幸い評価の高いケアマネで、レンタル担当者も「運がいい」というポジティブな評価だったため話しやすかったのかもしれませんが、その後はダメなケアマネのこともたっぷり話してくれました。

 

男同士で信頼関係があったから、踏みこんだ会話になったのでしょう。用具レンタル担当者のすべてがそうだとは限りませんが、貴重な情報源になり得るのです。

 

※本連載に登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

 

相沢 光一
フリーライター

 

 

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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