「頼れるケアマネ」は近所のオバちゃんが知っているという盲点

相沢 光一
「頼れるケアマネ」は近所のオバちゃんが知っているという盲点
(※画像はイメージです/PIXTA)

ケアマネの良し悪しの情報は誰から聞いたらいいのでしょう。とくに適任なのは、すでに介護を終えた女性が近所にいるもので、世話好きの近所のオバちゃんに聞くのも一つの手だという。※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

介護者が立ち寄る「ケアラーズカフェ」

■「ケアラーズカフェ」「用具レンタル担当者」も貴重な情報源

 

近所とのつき合いがなく、そうしたオバちゃんルートとは縁がない人は「ケアラーズカフェ」を頼る手もあります。

 

ケアラーズカフェは介護者(ケアラー)が集つどい、悩みなどを語り合える場所です。

 

介護というと介護される人のことがおもに語られますが、それと同等以上に重要なのが介護をする人。その多くはさまざまな悩みを抱え、精神的にも肉体的にも追いつめられています。介護と仕事の両立、慣れないケア、経済問題、家族問題、社会からの孤立、イライラが高じて、つい出てしまう暴言や暴行……。

 

そうした悩みを抱える介護者が立ち寄り、思いのたけを語ってスッキリする、あるいは経験者から苦境を乗り切るアドバイスを受け、気持ちを立て直して介護に向かう──という目的で設けられた、いわば介護者の“駆けこみ寺”です。介護を成り立たせるには、介護者の精神的ケアが欠かせないという考えから、全国各地に開設されるようになりました。

 

ケアマネの良し悪しを聞ける場所はあるのか。(※写真はイメージです/PIXTA)
ケアマネの良し悪しを聞ける場所はあるのか。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

とはいえ、民間で運営するのは難しく、多くは社会福祉法人、NPO法人、福祉系のボランティア団体などが運営しています。また、常設はほとんどなく、法人の事務所や公民館などの公的施設を借りて週に1回といった頻度で時間を限定して開設するケースが多いようです(通常、利用料は100円から300円程度。お茶なども提供されます)。

 

めざしているのは介護者が集い、悩みを抱える者同士が語り合うかたちですが、それも実現できているところは多くありません。ケアラーズカフェという場所があること自体知られていない、行きたいと思っていても、介護に追われて限定された開設時間に行くことができない、といった理由からのようです。

 

ただ、ケアラーズカフェには介護経験をもつスタッフが常駐しています。何でも相談できる場所ですから、ケアマネに対する評価基準も聞けるわけです。最寄りのケアラーズカフェはインターネットで「ケアラーズカフェ地域名」で検索すれば見つかります。

 

なお、ケアラーズカフェの利用者は、圧倒的に女性が多いそうです。あるカフェのスタッフに聞いたところ、「悩みを語ることは弱みをさらけだすことであり、男性にはそれが高いハードルになるのだと思います」と語ってくれました。

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