プールの奥には東京の夜景が広がる。

雇用形態が多様化するなかで、フリーランスというスタイルを選んで働く人が増えています。街に立ち並ぶ薬局やドラッグストアに勤める薬剤師のなかにも、そんな働き方を選ぶ人もいます。まだあまり知られていない、「フリーランス薬剤師」の存在。実際にその道を歩んでいる齋藤健太郎氏に紹介してもらいました。

経営のノウハウを学べるのが大きなメリット

――フリーランス薬剤師のメリットとデメリットを教えてください

 

メリットは、個人の能力によって収入が大きく変わるところでしょうね。僕の場合は、派遣で働いていたころの年収はだいたい500万円ぐらいでした。周りも450~550万円ぐらいが多かったです。フリーランスになったからといって、年収がいきなり跳ね上がるわけではありません。それよりもワークバランスが取れるようになったことが大きいです。

 

夏はベランダにプールを設置。水遊びを楽しむ。
夏はベランダにプールを設置。水遊びを楽しむ。

 

ある時、フリーランスで入っていた薬局のオーナーから、新規オープンする薬局の立ち上げを依頼されました。それまでは週5で勤務していましたが、新規の店舗は週4日開局予定。時給が同じだと月収が下がってしまうため、交渉した結果、週休3日でも月収換算で同額もらえるようになり、自由な時間が増えました。

 

その時間を使って、マイビジネスを展開したり、ビジネスに関する人とのつながりを作ったりすることもできます。

 

また、短期契約で全国どこでも好きなところで働けるというのも強みです。

 

ほかには、個人事業主になるので、節税などができるところでしょうか。僕は自宅を事務所として使用しているので、家賃の一部を経費として計上しています。

 

オーナーとの距離も近いので、経営のノウハウを学べるのも大きなメリットかもしれません。薬剤師であれば、独立して開局したいと考えている人も多いはずです。派遣のときはオーナーとは一薬剤師としての付き合いという面が大きかったですが、フリーランスになり個人的な話をする機会が増えました。そこで、自分が経営者になったときに必要となる有益な情報を得ることができます。

 

――ではデメリットは?

 

デメリットとしては、個人事業主となるので社会保険ではなく国民健康保険になることでしょうか。僕はそれほど気にしていませんが、これから子どもを産もうという女性や、夫婦で共働きの場合などは不安をおぼえる人もいるようです。

 

確定申告も自分でおこなわなければいけないので、面倒な作業も増えます。自分でエクセルで作成していますが、そろそろ会計ソフトを使おうと思っています。

 

それとやはり、大変なのは仕事を自分で探さなければいけないところでしょう。とは言っても、もし見つからなかった場合は、仕事を選ばなければ派遣で探すこともできるので、そこまで焦ることはないかも知れません。

 

――やはりコロナによる影響は大きかったですか?

 

派遣切りにあったという話はいくつか聞きました。時給が極端に下がって困っているという話もありますね。友人は都内で派遣の案件が無くなって拠点を地方にうつしました。派遣からパートに切り替える薬局も多くあったので、フリーランスのほうが影響は少なかったのではないでしょうか。案件さえ取れれば、フリーランスのほうが収入は安定していると思います。

 

 

コロナ禍という世間の状況も相まって、現在は薬剤師にとっても働きやすい環境とは言えないようです。後編ではそんな状況の中、フリーランス薬剤師として成功する“カギ”となるものは何なのかを伺っていきます。
 

 

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