(※写真はイメージです/PIXTA)

年金に不安を抱える人は多いもの。年金を「確実にもらう」ために留意すべきことを、経済評論家の佐藤治彦氏が解説します。※本記事は、書籍『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』(‎亜紀書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「60歳から」年金を満額に近づけるには

さて、話を戻します。年金が満額に達していない場合は、次のような選択肢があります。

 

①年金を満額もらうことを諦める。少ない年金のまま生涯暮らしていく。

②60歳以降も年金を納め続けて、出来るだけ満額に近いところに持っていく。

 

②の方法としては以下が考えられます。

 

●国民年金(第1号被保険者)に任意加入※編集部注1し65歳になるまで国民年金の支払いを続ける。これは60歳になった時点で自ら役所に任意加入したいと申し出る必要があります。

 

※1 任意加入制度(日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html

 

●60歳以降も会社員やパートタイムなどで厚生年金を支払う職場で働く。厚生年金の保険料は会社と本人が半分ずつ支払います。こうして、もらう年金額を増やしていくこともできます。老齢厚生年金の報酬比例部分が増えるとともに、基礎年金部分は経過的加算額として反映されます。

 

●60歳未満の専業主婦などで第3号被保険者の場合。たとえば、夫が65歳になるまで厚生年金を払って働くのであれば、第3号被保険者の特典(=自分自身は年金の保険料を払わなくても制度上支払ったことになる)を受けることができます。

 

ただし、夫が65歳以降も働く場合には、妻の第3号被保険者の特典はつかなくなります。※編集部注2

 

※2 3号被保険者の「配偶者が65歳になったとき」の手続き(日本年金機構 http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20150119.html

 

確認しておきますが、第3号の被保険者の特典を受けることができるのは、妻が59歳までです。つまり、65歳未満の夫が会社で厚生年金を払いながら働いているから、60歳の妻が、私は今も第3号だろうと思っていても、それは間違いです。

 

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ちなみに妻が空白期間を埋めるために、60歳以降に国民年金の任意加入をする場合も、夫が妻の任意加入の国民年金の保険料を払うことができます。

 

払うことができる、とはどういうことかというと、夫が働いて税金を払っているのであれば、妻の任意加入の年金保険料を夫の社会保険料控除と合わせて申告できる、ということです。結果として、夫の所得税を減らすことができて得になります。

 

みなさん、年金を満額もらえる40年、480ヵ月支払っているかどうか、きちんと調べてください。そして、どうすべきか判断してくださいね。

 

 

経済評論家・ジャーナリスト

佐藤 治彦

 

 

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