過去の引き締め局面では割安、金融株が上昇
■米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「資産買入れ縮小(テーパリング)の議論を開始するか議論した」と、慎重な言い回しながら近い将来の資産買入れ縮小を示唆しました。
過去の金融引き締め局面では株価は概ね堅調
■2004年6月以降のFRBによる金融緩和縮小・金融引き締め局面は4回あり、そのうち3回で米国株式市場は上昇しています。
■各局面の業種別のパフォーマンスを見ると、金融株が概ね堅調となっています。また、バリュー(割安)、グロース(成長)の区分では、概ねバリュー株が堅調となっています。
■ただし、2018年の金融引き締め局面のように、利上げに加えバランスシートの縮小も行われると、株価は下落しバリュー株や金融株も弱含みます。
■現在は利上げもバランスシート縮小もまだ議論される見通しすら立っておらず、実施は数年先と見られます。弊社では過去のテーパリング局面と同様に、今後も景気や業績の回復に伴って株価の上昇基調は続くと見ています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米金融政策と業種別株価の動きを検証』を参照)。
(2021年7月21日)
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