「自分のため」ではなく「相手のために」何ができるか
例えば、ファミリーレストランで商談をしている際、クーラーの冷気が直にあたり、お客さまが寒そうにしているのに、営業マンが夢中でしゃべり続けていたらどうでしょう。
お客さまの飲み物が空でも、予定よりも時間が経っていても、お構いなしに営業トークを繰り出すばかりの営業マンを、お客さまはどう感じるでしょう。そんな営業マンから、すすんでモノを買いたいと思う人がいるでしょうか。
自己中心的であることの大きな問題点は、相手から信頼されないところにあります。自分にしか興味がなく、自分さえよければいいという思いが態度に表れているような人間を、信頼できるはずはありません。
一流の営業マンは、常にお客さまの役に立つこと、周りの人の利益になることを考えています。自分を中心とした視点ではなく、他人のために何ができるかという視点から、物事を考えていきます。
そうして他者の役に立つためには、まずその人が困っていることや悩んでいることを知らねばなりません。だから自分がしゃべるより、相手の話をじっくりと聞くのです。お客さまに対してだけではありません。
1000万円を稼ぐような営業マンは、周囲のあらゆることに気を配っています。会社のシュレッダーのゴミが満杯なら、率先して取り換える。トイレットペーパーがなくなりそうなら、替えを用意する。フロアにゴミが落ちていれば、拾う。元気なあいさつを欠かさない。
「きっと自分以外の誰かがやってくれる」という考えは存在しません。そういった行動をすべて、自分のためではなく、他人のために行っています。よりシンプルに表すなら、「一流の営業マンは気遣いもまた一流」だということです。
もし自分のことを、「自己中心的である」と感じるなら、まずは次のリストを習慣化していってほしいと思います。
・職場の整理整頓を意識する
・お世話になったら、すぐに感謝を伝える
・言葉遣いを、ていねいにする
・時間は厳守する(10分前行動)
・大小にかかわらず約束を守る
・人の話は最後まで聞き、遮らない
・人を否定しない
・常に相手の立場になって考える
・どんなことも、人のせいにしない
・見返りを求めず、ただ尽くす
基本的なことではありますが、積み重ねていくほど、人から信頼されるためには何が必要か、分かってくるはずです。