※画像はイメージです/PIXTA

「エンディングノート」とも呼ばれている終活ノートは、どのように作ればよいのでしょうか? 記載内容など、基本的な書き方を見ていきましょう。

書き方のポイント②…家族、周囲の人のことを書く

自分のことを一通り書き終わったら、次は家族や周りの人について書きましょう。日ごろ伝えられない想いも言葉にしておくと、素敵なメッセージになります。

 

■大切な人の連絡先やコメント

親戚や友人など、大切な人の連絡先を記録しましょう。家族の友人の連絡先は分からないことが多く、葬儀の連絡ができないことも珍しくありません。エンディングノートに記載しておけば、そのような心配は不要です。

 

また親戚の名前・続柄・連絡先を表にまとめ、関係性が分かるようにしておくのも役立ちます。相続の手続きをする際にもスムーズです。

 

■ペットを飼っている場合

ペットの扱いについても書いておくと安心です。将来的に施設への入所や病院への入院が決まったとき、自分がいなくなった後は、ペットの世話をほかの誰かにお願いしなければいけません。

 

そのためペットの面倒を見てもらいたい人を書いておきます。周りに任せられる人がいないなら、ペットを引き取っているNPO法人を記載してもよいでしょう。

 

ただし、相手に相談せずにエンディングノートに書くのはNGです。事前に許可を取り付けておくようにしましょう。託された人がペットの世話をしやすいよう、名前・種類・年齢・かかりつけの獣医・好きなことなども書いておくのもおすすめです。

書き方のポイント③…将来のことを考えて書く

現在の自分や周りのことはもちろん、将来のことも書いておくと、自分で物事の判断ができなくなった際や死後に役立ちます。

 

■介護の依頼先、介護資金の預け先

年齢を重ねると介護が必要になることもあるでしょう。どこでどのような介護を受けたいのか、希望を書いておくと家族が困りません。

 

施設での介護を希望するなら、どのような施設に入所したいのか条件を書き出します。具体的に入所したい施設が決まっているなら、その施設の名称や連絡先も記載すると家族の手間を軽減できます。

 

家族の力を借りて自宅で介護を受けたいと考えているなら、誰にどのように担ってもらいたいかもはっきりさせましょう。単に希望を書くだけでなく、そのための資金についても言及します。

 

年金でまかないきれない分については、預貯金や資産の売却などが必要になるかもしれません。

 

■理想の葬儀、納骨の方法

葬儀については家族が決めるのが、かつては一般的でした。しかし昨今はエンディングノートに基づいて、本人の意思を尊重する傾向が強まっています。

 

たとえば葬儀は密葬や家族葬など小規模に開催するのか、できるだけ多くの知人・友人を呼びたいのかを決めておきます。納骨も従来通りに実施するほか、散骨を選べるケースもあるでしょう。

 

遺影に使う写真や喪主を務めてほしい人の希望も記しておきます。どのような葬儀をしたいかあらかじめ決めておくと、家族が希望に添って準備を整えやすいでしょう。

 

■遺言書の有無や保管場所

遺言書の有無は遺産分割協議の実施における重要なポイントです。そのため必ず記載しましょう。

 

遺言書を作成しているのであれば、それが自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言のどれにあたるかも書きます。あわせて作成時に協力してもらった専門家の連絡先も明示しておくと安心です。

エンディングノートの活用で充実のシニアライフに

エンディングノートは老後や死後について、自分の希望を示すためのノートです。あらかじめ作成しておくと、家族はノートの内容をもとにさまざまな手続きを進められます。

 

自分にとっても、これまでを振り返るきっかけになり、改めて自分の希望と向き合うことで、意識が変化する可能性もあるでしょう。ノートへ書く内容は、自分のことや周りの人のこと、将来のことなどさまざまです。

 

ただし一度書いたからとそのまま放置していると、いざ使いたいときには情報が古過ぎる可能性があります。定期的な見直しと修正で、よりよいエンディングノートを作成できるでしょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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