※画像はイメージです/PIXTA

「エンディングノート」とも呼ばれている終活ノートは、どのように作ればよいのでしょうか? 記載内容など、基本的な書き方を見ていきましょう。

エンディングノート…活用のポイント

一度書いただけで放置してしまっては、エンディングノートを生かしきれません。活用するにはポイントがあります。

 

■定期的に書き足して情報を更新していく

作成時には書ける項目からどんどん書きましょう。順番にこだわると途中でつまずき、ノートを完成させられないからです。

 

また書き終わってからも定期的に見直し、情報の修正や書き足しを行いましょう。常に新しい情報に更新することで、役立つノートになります。誕生日や元日など、日にちを決めて見直すようにすれば忘れません。

 

■保管場所を決めて信頼できる家族に伝える

エンディングノートを書いても、家族に見つけてもらえなければ、いざというときに活用できません。自分の意思を伝えられない状態になったときや死後に役立てられるよう、保管場所を決めましょう。

 

自宅の金庫・たんす・仏壇・食器棚などが代表的な保管場所です。どこへ保管するか決めたら、信頼できる家族に伝えます。

書き方のポイント①…書きやすい基本項目から埋める

たくさんの項目が用意されているエンディングノートは、いざ書こうとすると難しく感じるかもしれません。そこでまずは比較的簡単に記入できる項目から書き始めましょう。

 

■まずは自分に関することを書く

自分に関することであれば、資料を用意しなくてもすらすら書ける項目が多いでしょう。生年月日・住所・本籍地などであれば、すぐに埋められるはずです。

 

加えて趣味や好みについても記載します。好きな食べ物や日々の楽しみについて詳細に書いておくと、介護が必要になったときに好みを把握してもらえるでしょう。

 

同時に健康状態についても書いていきます。持病・服用している薬・アレルギーの有無・飲酒の習慣などについてです。あわせて『健康保険証』や『おくすり手帳』の保管場所も書いてあると、いざというときに困りません。

 

また今後の医療や介護に関する希望も書いておくと、自分で判断できない状況に陥った際にも安心です。

 

■銀行口座、株式などの財産について

財産として銀行預金や株式などがあるなら、その内容をすべて記載し明らかにします。家族であってもすべての口座を把握していないケースは多いものです。

 

存在に気付いていない財産は相続できません。家族に内緒で貯めている預貯金についても、すべて書き出しておきましょう。

 

同時に通帳・証書・印鑑などの保管場所も書いてあると、家族が家中を探し回ることなくスムーズに手続きを進められます。ほかにも現金・不動産・貴金属などがあるなら明記しましょう。

 

■マイナスの資産も記載する

中にはマイナスの財産を保有している人もいるでしょう。家族の役に立たないマイナスの財産については、書きたくない人もいるかもしれません。しかし記載してあることで、家族は相続放棄を選択できる可能性があります。預貯金が一定額あったとしてもそれを上回る借金があれば、相続しても家族の負担が増してしまいます。それならば相続せず放棄しようと考えるでしょう。

 

ただし相続放棄には3カ月までという期限があります。そのため資産はプラスもマイナスも明らかにし、家族が早い段階で決断できるようにすることが大切です。

 

またマイナスの資産を見られたくない相手がいるなら、ノートを分けるのも手です。見られたくない情報を柔軟に管理できます。

 

■加入している保険商品について

生命保険や医療保険へ加入している場合には、その内容についてもエンディングノートへ記載しましょう。生命保険へ加入していることが分かれば、死後に家族が請求手続きをスムーズに進められます。

 

また医療保険があると分かれば、入院による医療費の負担を軽減することが可能です。加入していても適切なタイミングで利用できなければ、無駄になってしまいます。

 

エンディングノートで保険について家族に知らせられれば、加入した保険を必要なときに役立てられるはずです。

 

■登録、契約しているサービス

ほかにも利用しているサービスがあるなら、一覧にしておきます。駐車場の契約、サークルや習い事、貸金庫など費用が発生しているものはすべて書き出しましょう。

 

水道・ガス・光熱費・インターネットなどの引き落とし口座といった情報も記載します。SNSを利用しているなら、アカウントをどのように処理するかも決定し書いておきましょう。

 

このようなサービスは家族が確認しても把握しきれないことが多々あります。解約に必要な情報や死後の処理方法が書いてあれば、手続きを行う家族の負担軽減につながるはずです。

 

また登録サービスについての項目では、IDやパスワードも記録します。重要な個人情報はノートを分け、別に保管しておくと安心です。

 

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次ページポイント②…家族、周囲の人のことを書く/ポイント③…将来のことを考えて書く

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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