「専門性や経験」が目を濁らせる…「仕事選び」で一番大切な要素は?【元PwCの人事コンサルタントが解説】

「専門性や経験」が目を濁らせる…「仕事選び」で一番大切な要素は?【元PwCの人事コンサルタントが解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

さまざまな会社で人事・戦略コンサルタントとして活躍してきた松本利明氏の書籍『「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方』(KADOKAWA)より一部を抜粋・編集し、好きなことを仕事にできる条件を紹介します。

専門や経験からやってみたいことを考えると失敗する

キーになるのは、情報として知りえた「やってみたい」ことの中から、資質に沿った、向いているものをやってみることです。経験や専門性から考えると外します。

 

例をだしましょう。私、松本利明の大学時代の専門は工学部の機械工学科でした。

 

なぜ、私が外資系コンサルタントを目指したのか。大学4年生の時に「外資系コンサルタント」という情報を知ったからです。歯車の機械製図を夜中に書いている時、ある1つの番組が目に飛び込んできました。「金曜プレステージ東京ソフトウォーズ」(テレビ朝日)という、素人参加型の企画のコンペ番組です。

 

機械製図より面白そうとのめり込みました。その時の審査員にいた、元マッキンゼーの経営コンサルタントの波頭亮さんの存在を通して外資系コンサルタントを知ったのです。そして、やってみました。

 

審査員の方々にお願いして実際のビジネスレベルで教え、鍛えていただく勉強会を企画し、毎月実施してもらいました。今でいうインターン的にアルバイトをさせてもらうようなものです。

 

鍛えてもらったスキルをもとに、番組のお題の企画にチャレンジし、生放送でプレゼンしてダメだしやアドバイスをもらうことが、たまらなく刺激的ですぐにどんどんできるようになりました。

 

専門性に関係なく資質がベストマッチだったのでしょう。人事戦略コンサルタントの目から自分をみると、もし、専門性をベースにメーカーに就職していたら、自分の資質ならよくても大企業の子会社の課長止まりは確実でした。

 

専門性、経験、欲望が目を濁(にご)らすので、自分の素である資質をもとに、向いていることを仕事にしましょう。

 

 

松本 俊明

人事・戦略コンサルタント
HRストラテジー代表
 

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