FRBは資産買入れ縮小の議論を本格化へ
■米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和政策として、一ヵ月あたり800億ドルの国債と400億ドルの住宅ローン担保証券の買入れを行っています。
■パウエル議長は6月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「資産買入れ縮小(テーパリング)の議論を開始するか議論した」と、慎重な言い回しながら近い将来の資産買入れ縮小を示唆しました。
過去の資産買入れ縮小局面では株価は上昇
■2007年8月以降のFRBの金融政策を「利下げ、量的緩和、維持、資産買入れ縮小、利上げ、バランスシート縮小」の6つに分けると、量的緩和局面で最も株価が上昇しています。
■しかし、資産買入れ縮小局面でも株価は上昇を続けています。前回の資産買入れ縮小局面である2013年5月から2014年10月まで米国株は24%上昇しました。一ヵ月あたりの平均上昇率は1.3%で、過去の量的緩和局面の2.4%には届かないものの、緩やかな株価上昇が続きました。
FRBが資産買入れ縮小でも株価の上昇基調は継続へ
■FRBは資産買入れ縮小に向けた議論を今後本格化させる見込みです。ただ、パウエル議長は「資産買入れ縮小の際は前もってその計画を知らせる」と述べており、市場との対話を慎重に行う姿勢を示しています。こうしたことから、弊社では過去の資産買入れ縮小局面と同様に、これまでほどのペースではないものの、今後も景気や業績の回復に伴って株価の上昇基調は続くと見ています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『テーパリングと株価の動きを検証』を参照)。
(2021年6月29日)
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