(画像はイメージです/PIXTA)

「安倍晋三と旧統一教会がつながっていると思い、殺さねばならないと考えた」──“安倍晋三元首相射殺”という衝撃的な報道の後ほどなくして、容疑者の男のこれもまた衝撃的な犯行動機が伝えられた。

祖父の土地を勝手に売却、容疑者宅も売却…

安倍晋三元首相射殺の容疑で逮捕された山上徹也容疑者の母親は、自身が信仰する旧統一教会への献金のために、彼の祖父にあたる人物の土地を勝手に売り払うなどし、その献金総額は「1億円以上」にも及んだとされる。母親は山上容疑者ら子ども3人とともに住んでいた自宅も売却し、2002年には破産宣告も受けていたという。

 

新たな真実が今後益々表に出てくることが予想されるが、一人の人間の一宗教団体への篤信により、ここまで家庭内崩壊してしまうことがあるのだ。

 

そしてそれは、決して他人事とは言えない。

5人に1人は認知症に。時すでに遅し?悲劇の始まり

英医学専門誌ランセットのザ・ランセット・パブリック・ヘルス(The Lancet Public Health)が発表した調査によると、このままの推移でいくと、認知症を抱える40歳以上の数は世界中で2019年の推定約5,700万人から、2050年には3倍近くに当たる約1億5,300万人まで増加することが見込まれている。

 

世界的に認知症が増加傾向にある理由は、人口増加と高齢化だ。世界で最も高齢化が進む日本において、その傾向は顕著である。

 

厚生労働省の発表によると、2020年には国内に約600万人、2025年には約700万人が認知症になると予測されている。これは、「高齢者の約5人に1人」が認知症になる計算だ。

 

ただでさえ人の判断能力は年を重ねるごとに落ちてくる。そうして上手く言いくるめられ、いわれるままに宗教団体に加入してしまう高齢者は少なくないだろう。配偶者に先立たれ、子も同居しておらず単身世帯。コロナ禍で人と接する機会が減り、寂しさや孤独から何かにすがりたくなる。また、人と接しないことで認知症の発症や症状の進行も進む。

 

年を重ねた身内が少しずつ宗教にはまり、最終的には手の施しようがないところまで来てしまうということはざらにある。

 

山上容疑者母はいわゆる「かくれ認知症」(認知症予備軍)ではないかもしれないが、本件を他人事として見聞きしている読者諸氏にも、自分事として考えてもらう必要がある。身内のようすが「最近、何かおかしい」と思ったときには「時すでに遅し」で、悲劇が始まっているケースは少なくない。

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