遺産相続において、相続人には明確な法定相続分が定められていますが、なかには暴力的な態度やふるまいで、自分の取り分を少しでも多くしようと画策する人物もいます。そのような相続人と交渉し、公平な遺産分割を実現するにはどうすればいいのでしょうか。長年にわたり相続案件を幅広く扱ってきた、高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が解説します。

「本人同士の交渉」を続けてもメリットなし

また、暴力的な相続人を相手する際には、弁護士に依頼することをお勧めします。

 

法的手続きにより解決を図ろうとしても、弁護士に依頼しないと、暴力的な相続人と皆さんは、遺産分割の当事者同士なので、暴力的な相続人から裁判所外で連絡が来てしまい、そこで脅されたりする可能性があります。

 

弁護士に依頼すれば、相手が連絡を取ろうとしても「弁護士から直接話すなと言われている」「弁護士にすべて任せてあるから弁護士に連絡してください」など、そもそも話をしないことが可能です。

 

自宅に押しかけて来たとしても、やはり「弁護士を通して話してください。帰ってください」と言って、帰らなければ警察を呼びます。

 

それでも、自宅に押しかけて来たり、電話をかけて来たりするようであれば、面談禁止の仮処分、架電禁止の仮処分などの法的措置を取ることができます。

 

とはいえ、そこまで必要になるケースは滅多になく、弁護士を付けて、遺産分割調停や遺産分割審判の申し立てをすれば、通常の遺産分割事件と同様に解決できる可能性は高いです。

 

筆者が手掛けた事例では、遺産分割調停でさほど揉めることなく、法定相続分通りに分けることで解決することが多くありました。

 

相手を恐れ、本人同士での交渉をずるずると続けてしまうことのほうが、解決が難しくなりやすいのです。

 

暴力的な相続人がいるケースでは、勇気を持ってすぐに弁護士に依頼し、遺産分割調停や遺産分割審判などの法的手続きで解決を図ることが、解決への近道となります。

 

 

高島 秀行

高島総合法律事務所

代表弁護士

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録