そこで、国税庁が公表している「統計年報」から、所得税納税者を対象に給与所得で1,000万円以上と申告している人を、都道府県別にみていきましょう。
結果をみてみると、最も給与1,000万円/年以上の人数が多いのが、東京で23.6万人。続いて神奈川9.3万人、大阪6.4万人、愛知5.7万人と続きます。一方で、1,000万円プレイヤーが最も少ないのは鳥取で2,000人強。島根、秋田、高知、佐賀と続きます(図表1、図表2)。
単純に人数によるところが大きく、国勢調査の結果と照らし合わせると、上位は千葉と埼玉、福岡と北海道が順位が入れ替わっているほか、人口では13位の京都がラインクイン。おおむね人口に比例する結果になりました。
一方下位グループをみてみても、47位の鳥取は人口でも47位、46位の島根も人口でも46位と、人口順位と同様の結果に。ただ青森(人口31位→給与所得1,000万円強38位)山形(35位→39位)、秋田(38位→45位)と、北東北3県がふるわないのが気になるところ。
次に給与所得を申告した人のなかで、1,000万円プレイヤーがどれくらいいるのか、その割合でみてみましょう。
最も高給取りの割合が多いのが東京で、15.2%。神奈川11.2%、兵庫9.8%、京都9.6%、大阪9.5%と続きます。一方、最も割合が少ないのが秋田で3.4%。岩手3.7%、青森3.9%、山形4.1%、佐賀4.5%と続きます(図表3、図表4)。
高給取りの割合でみてみると、奈良が6位で9.4%となる一方で、埼玉が13位7.3%となるなど、関西の強さが目立ち、全体として西高東低の傾向ににあることがわかりました。
首都圏では、高給取りは都心の億ションなどに住み、一般の会社員は都心には住めないからと、通勤時間1時間以上をかけて郊外に住む。一方で関西では、高給取りだからといってどこかに集中せず、大阪、兵庫、京都、奈良と、うまいように分散している。そんな違いが、この結果から、みえてきました。