家族が亡くなったときはさまざまな手続きが必要になりますが、世帯主が亡くなった場合は「世帯主変更届」で新しい世帯主を届け出る必要があります。しかし世帯に残った人が1人だけの場合など提出する必要がない場合もあります。そこで世帯主が死亡したときに届け出る「世帯主変更届」の手続き方法を見ていきましょう。

「世帯主変更届」はどう書けばいい?

世帯主変更届の用紙は届け出先の市区町村役場に備え付けられています。様式は提出先の市区町村ごとに異なりますが、おおむね次のような事項を記入します。

 

・転入・転出などの住民異動届と共通の用紙になっている場合は、届け出の種類の欄で世帯主の変更を選択します。

・新しい世帯主の欄に新しい世帯主の住所・氏名を記入します。

・今までの世帯主の欄に死亡した世帯主の氏名を記入します。

・世帯員の欄には新しい世帯主を含めて世帯を構成する人全員について必要事項を記入します。

 

※様式は市区町村ごとに異なります。あくまでも参考としてご覧ください。
[図表]世帯主変更届(住民異動届)の様式例 ※様式は市区町村ごとに異なります。あくまでも参考としてご覧ください。

世帯主が死亡した場合は「健康保険の手続き」も必要

世帯主が死亡した場合は、世帯主変更届のほか健康保険の手続きも必要です。世帯主変更届を提出する必要がない場合でも健康保険の手続きは必要になります。

 

■国民健康保険に加入していた場合

死亡した世帯主が国民健康保険に加入していた場合は、死亡から14日以内に市区町村役場に資格喪失届を提出して保険証を返却します。

 

手続きに必要なものは次のとおりです。

 

・国民健康保険資格喪失届

・家族全員分の国民健康保険の保険証

・印鑑(自署の場合は不要)

・高齢受給者証、限度額適用認定証(あれば)

 

市区町村によっては死亡届を提出するだけで健康保険の資格喪失手続きが行われる場合もありますが、保険証は返却しなければなりません。

 

死亡した世帯主の家族も国民健康保険に加入していた場合は、家族全員分の保険証も返却します。家族の保険証は、世帯主と被保険者証番号の書き換えが行われます。

 

なお、死亡した世帯主が後期高齢者医療制度に加入していた場合も同様の手続きが必要です。

 

■健康保険(被用者保険)に加入していた場合

死亡した世帯主が会社員・公務員で健康保険(被用者保険)に加入していた場合は、扶養に入っていた家族の保険証も無効になります。死亡した世帯主の健康保険の資格喪失手続きは勤務先で行いますが、家族全員の保険証を返却しなければなりません。

 

残された家族は、次のどちらかの方法で健康保険に加入することになります。

 

・国民健康保険に加入する

・世帯に健康保険に加入している会社員・公務員がいればその人の扶養に入る

故人が家の名義人だった場合は名義変更の手続きも必要

ここまで、世帯主が死亡したときに必要な世帯主変更届の手続きをご紹介しましたが、家族が持ち家に住んでいて、その家の名義人が亡くなった世帯主である場合は、家の名義変更も必要となります。

 

亡くなった方名義だった不動産の名義変更は「相続登記」と呼ばれ、様々な書類や手続きが必要となります。

 

相続登記については時間と手間がかかる手続きですので、相続登記が必要な場合は専門家への依頼も検討すると良いでしょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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