インド株はもみ合い続く
■インド株式市場は、5月上旬に1日当たりの新規感染者数が40万人を超えるなど、新型コロナウイルスの感染急拡大が嫌気されて、上値の重い展開が続いていました。しかしながら、都市封鎖の効果などから、中旬以降は新型コロナの1日当たりの新規感染者数が30万人を割り込み、減少傾向となったことを受けて戻りを試す展開となっています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、節目の50,000ポイントを回復し、足元では終値ベースで2ヵ月ぶりの高値水準を付けました。
4月は海外投資家が売り越し
■インド株式市場への海外資金フローをみると、4月の海外投資家のマネーは、昨年9月以来の資金流出となりました。これまで海外投資家はインド株式への投資を積極化し、買い越しが続いてきましたが、新型コロナが猛威を振るっていることを嫌気して、売り越しに転じました。
■インド証券取引委員会のデータによれば、海外投資家は5月も売り越しとなっていますが(21日時点)、足元では買い越しの日が続いており、売却のピークは一旦越えた模様です。
感染者数が減少に転じ、株価は持ち直しへ
■インド株式市場は、新規のコロナ感染者数が高水準にあることから当面上値の重い展開が続くものの、既に感染者数が減少に転じていることから、見直し買いが入ると思われます。ワクチン接種による感染収束期待、好調な企業業績と予想PER(株価収益率)による株価評価での割高感後退、金融緩和政策の継続や追加景気対策への期待などが株価を支えそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『海外投資家が売り越す中、インド株はもみ合い』を参照)。
(2021年5月26日)
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