エンジェル投資家(これから事業を始めようとする起業家に対して出資を行う個人投資家)の坂元康宏氏は、「日本の会社員はあと10年で滅びる」と主張しており、起業の重要性について説いています。今回は会社員と副業の関係について見ていきましょう。

 

さらに会社を買収して“副業として企業経営をする人”も増えています。企業買収といと、何百億円が飛び交って委任状争奪戦が起きるM&Aを想像する人もいるかもしれませんが、サラリーマンが手掛ける個人M&Aは、500万円前後の資金で小規模店舗や事業所などの経営権を譲り受けるといったものが中心です。

 

ネイルアートが得意なあるOLは友人とお金を出し合って、300万円で繁華街にあるマンション一室のネイルサロンを買収しました。予約を自分たちの勤務時間外(休日や夜)で受け付けることで、本業と両立ができています。SNSで上手に宣伝したところ少しずつ顧客が増えてきたので、ネイリストを雇い営業時間を拡大することも検討しているそうです。

 

もちろん自分で起業しても良いのですが、サラリーマンを続けながら本格的に会社を立ち上げるのは大変です。会社登記や物件探し、内外装、備品調達、広告宣伝、いろいろとやらなければならないことがあります。ところがM&Aですでにあるものを買ってしまえば、契約が成立したその瞬間から事業がスタートできます。いわば“時間を買う”感覚です。

「正社員でいれば安定」という時代は終わった

会社が社員に対して右肩上がりの収入を約束できた時代には、副業なんて必要なかったかもしれません。ですが、多くの日本企業にはもうそんな余裕はありません。今は契約社員や派遣社員を使って何とか正社員の待遇を守っていますが、もうそれすらも限界です。

 

「これからは、能力と成果に応じた給与を支払わせてもらいます。経営が悪化した場合には給与カットやリストラもあり得ます。その代わり、会社に縛り付けることもしません。副業も認めますから、給与が少ないという人は自分で何とかしてください」

 

というのが、企業の本音なのです。

 

もちろん、投資や事業にはリスクがあります。店舗や事業所を手に入れても、経営に失敗すれば投資した分を失います。経営のために借り入れをしていれば、借金を背負うことにもなるでしょう。

 

それでも、本業の仕事があれば何とか食べていくことはできます。失敗の経験を生かして再起を図ることも可能です。ですが、本業一本の人が会社からリストラされてしまったら、完全に無収入になってしまいます。リスクがあるからといって何もしない人は、より大きなリスクを背負っていることを知るべきです。これからは“挑戦者だけが生き残る時代”です。

 

 

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    坂元 康宏

    幻冬舎メディアコンサルティング

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