相続したアパートの減価償却…「耐用年数」の意外な落とし穴

辻・本郷 税理士法人編著の『税理士が見つけた!本当は怖いアパート経営の失敗事例34』(東峰書房)より一部を抜粋・編集し、アパートを相続した際の注意点について同法人の内藤智之氏が解説していきます。

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相続で「減価償却資産」を継いだときの注意点

【事例】 父が亡くなり、土地とアパート1棟を相続しました。中古の建物ということで、建物の残存耐用年数を「簡便法」で算出し、減価償却費を計上しましたが、相続のケースでは間違いだと指摘されました。

 

※国税庁『No.5404 中古資産の耐用年数』より

「法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数」

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

【失敗のポイント】 相続で建物を取得した場合、その残存耐用年数を算出し直してはいけません。

 

【解説】 相続により減価償却資産を取得した場合は、相続した人がその資産を引き続き持っていたものとみなされます。そのため、相続を機に建物の残存耐用年数を算出し直してはいけません。建物に関しては以前のままの取得価額と未償却残高を引き継ぎます。

国税庁の「タックスアンサー」で例示されているケース

相続により取得した減価償却資産の耐用年数

 

【照会要旨】

 

相続(限定承認を除きます。以下同じ)により取得した賃貸用の建物(以下「本件資産」といいます)を引き続き賃貸の用に供した場合に、本件資産の減価償却費の計算における耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(以下「耐用年数省令」といいます)第3条第1項《中古資産の耐用年数等》の中古資産に係る見積もりによる使用可能期間に基づく年数とすることができますか。

 

【回答要旨】

 

相続により取得した本件資産の減価償却費の計算における耐用年数は、耐用年数省令第3条第1項の中古資産に係る見積もりによる使用可能期間に基づく年数とすることはできません。

 

相続等により取得した資産について、所得税法施行令第126条第2項《減価償却資産の取得価額》の規定では、所得税法第60条1項《贈与等により取得した資産の取得費等》に規定する相続等により取得した資産が減価償却資産である場合の取得価額は、その減価償却資産を取得した者が引き続き所有していたものとみなした場合におけるその減価償却資産の取得価額に相当する金額とすることとされています。

 

また、所得税法第60条1項の規定は、同項に規定する相続等によって取得した資産を譲渡した場合における譲渡所得等の金額の計算については、その取得をした者が引き続きその資産を所有していたものとみなすこととされています。

 

したがって、相続により取得した本件資産について、耐用年数省令第3条第1項の規定に基づき算出した年数により減価償却費を計算することはできず、被相続人から取得価額、耐用年数、経過年数及び未償却残高を引き継いで減価償却費を計算することになります。

 

【具体的な例示】

 

・お父様の確定申告の内容

 

取得価額:100,000,000円(平成19年3月31日以前に取得)

 

耐用年数:47年(償却率0.022)

 

未償却残高:60,400,000円(20年経過)

 

・あなたの確定申告の内容

 

取得価額:100,000,000円

 

耐用年数を簡便法にて算出

①47年-20年=27年

②27年×0.2=5年

③27年+5年=32年

耐用年数:32年(償却率0.032)……間違い

 

正しくは47年(償却率0.022)を引き継ぐ

 

未償却残高:60,400,000円

 

 

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辻・本郷 税理士法人 立川事務所 所長
税理士

2006年、辻・本郷 税理士法人入社。2010年、税理士登録。2017年、立川事務所所長に就任。
法人税務から相続税申告、資産税コンサルティングまでオールラウンドプレーヤーとして、税理士としての専門性に自ら磨きをかけている。
特に不動産関係についてはハウスメーカーの税務相談に関わるなど、経験が多く強い分野である。

著者紹介

連載本当に恐ろしい…アパート経営の失敗事例

税理士が見つけた!本当は怖いアパート経営の失敗事例34

税理士が見つけた!本当は怖いアパート経営の失敗事例34

辻・本郷 税理士法人 編著

東峰書房

空き家は848万戸、総住宅数に占める空き家の割合は13.6%と過去最高を記録し、人口減少であるにも関わらず総住宅数は増え続けています(総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」より)。 アパート経営は「堅実な副業」とも…

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