親は子に経営を任せたら、辛抱強く見守るべき
親は親子の力関係をそのまま会社に持ち込みがちなため、いつまでたっても子どもは子どもという考えが抜けないものです。したがって、伸吾から見ると大介は経費削減はするものの、確固たる営業基盤を構築できない頼りない存在に映っていました。
とはいえ、伸吾もガソリンスタンドが置かれている状況は理解しており、そのような状況下でも利益を出している大介を内心では評価はしていましたが、決して人前で口に出すことはありませんでした。伸吾は幼い頃から大介を厳しく育ててきましたので、大介ならまだまだやれるという思いがあったのです。
しかし、せっかちでワンマンな性格の伸吾は、一旦、経営を任せたものの経営成績が好転しない状況に居ても立っても居られず、結局会社に出てきて経営に口を出すという状況になってしまいました。
経営環境の変化の下、時代に応じた経営改革を実行しようとする大介の経営方針が伸吾の方針と真逆なだけに、伸吾自身が今までやってきたことを否定された気になったのかも知れません。一旦、子に任せたのなら辛抱強く経営を見守るべきところ、それができなかったのです。
子は「親の経営アドバイス」に耳を傾けることが大切
大介も伸吾のアドバイスに対して理解を示すのであれば、事態は変わっていたことでしょう。伸吾は過去の経験や勘から物をいうので、市場動向や近隣店舗の状況等の様々なデータを分析して、経営判断を下している大介の考えにそぐわない面が多々ありました。
伸吾のアドバイスは結果から見ると時には理に適っていることもありましたが、経営学やマーケティングに精通している大介は自身が学んできたことに自信を持っており、伸吾の判断は結果的にうまくいったとしても運が良いだけだと思っていました。
また、人の意見に耳を傾けない伸吾のワンマンな言動をみるにつけ、過去に会社の業績が伸びていたのは伸吾の戦略ではなく、ただただ、時代背景や経済環境に恵まれただけのことだと思うようにもなりました。
大介は伸吾のアドバイスを一切参考にせず、自身の経営方針に従い、経営判断を下してきました。しかし、伸吾の言動のなかから温故知新の精神で、現在に生かせるようなものを取捨選択して参考にしていれば、このような状況にはならなかったかもしれません。
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