副業元年と騒がれてから3年。実際に副業解禁とした企業もありましたが、話題ほど浸透していないというのが現状かもしれません。そこで「副業の実態」を見ていきましょう。

会社員で「副業をしている」のは20人に1人

2017年、「働き方改革実行計画」が閣議決定され、テレワークや副業・兼業などの柔軟な働き方の実現が目標になったことをうけ、その翌年の2018年は「副業元年」といわれました。

 

2018年1月には、企業が就業規則を作るための指針となる「モデル就業規則」が改正。「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」となっていた規定が「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」に変更されました。

 

昨年9月の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定では、副業・兼業時の労働時間の管理や健康管理のルールが明確化されました。

 

第14章 副業・兼業
(副業・兼業)
第68条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

出所:厚生労働省『モデル就業規則』

 

厚生労働省が昨年7月に行ったインターネット調査『副業・兼業に関する労働者調査』によると、副業をしている人は全体の9.7%。10人に1人という水準です。これが多いか、少ないか、捉え方はそれぞれでしょう。また本業は「自由業・フリーランス(独立)・個人請負」が最も高く29.8%。「正社員で副業をしている」人は5.9%、20人に1人に留まりました。

 

■副業をしている人の割合(本業の就業形態別)

正社員 5.9%
契約・嘱託社員 10.4%
パートタイム・アルバイト 13.5%
臨時・日雇社員 14.6%
派遣社員 14.2%
会社役員 15.3%
自営業 19.4%
自由業・フリーランス(独立)・個人請負 29.8%
家族従業員・家事手伝い 11.9%
その他 11.6%

 

業種別に見ていくと「農林漁業・鉱業」「教育・学習支援業」「宿泊業、飲食サービス業」「学術研究、専門・技術サービス業」「生活関連サービス、娯楽業」「不動産業、物品賃貸業」が平均である9.7%を上回っています。

 

■副業している人の割合(本業の業種別)

農林漁業・鉱業 16.6%
教育・学習支援業 15.4%
宿泊業、飲食サービス業 15.1%
学術研究、専門・技術サービス業 14.6%
生活関連サービス、娯楽業 14.0%
その他サービス業(理容業等) 12.6%
不動産業、物品賃貸業 12.0%
医療・福祉 9.9%
卸売業・小売業 8.8%
運輸業、郵便業 8.2%
建設業 7.9%
電気・ガス・熱供給・水道業 7.6%
情報通信業 7.6%
複合サービス事業(協同組合等) 7.2%
金融業・保険業 6.4%
製造業 6.0%

 

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