100万ドルキャッシュを用意するカップルも
ファーストホームバイヤーは購入の機会を逃すと、また物件を探し始めなければいけません。部屋のサイズや自分たちが所有する家具の測量のために何度も訪問された方もいたので、私たちも本当に心が痛くなります。
次々と家を売るような家主さんがいればマッチングしやすいのですが、こちらの思うようにはなかなか進みません。それが不動産業界の難しさでもあります。
また、あらかじめ100万ドル前後を予算組して家を買いに来る人々もいます。若いカップルへ「住宅ローンについてご相談しますか?」と尋ね「キャッシュで用意しているので必要ないです」といわれたときは「簡単に100万ドル(7,800万円)を用意できるなんてすごいな」と驚嘆したものです。
現在ニュージーランドでは、イースター休暇に入ったのと同時にサマータイムが終了し(日本との時差3時間)秋に突入しました。今ではコロナ禍が収束したかのような日常を過ごしています。ワクチン接種については、65歳以上は5月から接種予定で、それ以外の年齢の人は7月より開始されます。外国の方でも、ニュージーランドに滞在しているのであれば無料でワクチン接種ができるとのことです。
このような情勢を背景に、タスマン海を挟んだオーストラリアとの移動再開に関するニュースも報じられています。開港へ進むのかはまだ不明ですが、そうなれば世界との結びつきがまた一層強くなるでしょう。
オークランドの不動産価格は高騰…狙い目は地方か
オークランドの不動産価格の平均値は110万ドルにまで届き、ワイカト地方でも約75万ドルが平均値となっています。そのため、従来私たちが投資家の方々に紹介してきた、30万~40万ドル台の物件を探すのは、困難となってしまいました。しかし、オークランドに比べれば、ワイカト地方ではその半額で3LDKの物件がまだまだ買える状況です。
NZ永住権保持者で投資を検討している方は、オークランドで無理をしてまで高額な物件を買うより、地方の一戸建てを購入することをおすすめします。しかし、オークランドの不動産価格の高騰は異常であるものの、世界レベルでみると、まだまだお手頃感があります。
ニュージーランドの人口は2020年現在、504万人を突破しており、今後も右肩上がりに増加すると予測されています。2030年には519〜594万人まで人口が増えると考えられており(ニュージーランド統計局『National population projections: 2020(base)–2073』)、その見込みに沿って土地が分割され、そこにタウンハウスやアパートメントの建築を行うことで住宅戸数が増えているのです。低所得者向けの住宅も用意され、一戸建てからアパートメント生活に移行するなど、ニュージーランド人の生活様式も変化しています。2021年度もどう変わっていくのか、これからもニュージーランドの住宅状況に注視していきます。
一色良子
ニュージーランド在住不動産エージェント
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