繰り返されるロックダウンで、街は閑散とするも…
ニュージーランドではコロナ禍が終息したかと錯覚するほどの平和な新年を迎え、国民はサマーホリデーを満喫しました。ところが2月に入り、オークランド南部で感染者3名が出現。のんびりムードだった国内に衝撃が走りました。
14日にはアーダーン首相が記者会見を行い、オークランドで15日から3日間にわたるロックダウンの実施を発表。突然のことで、われわれも仕事の段取り等、いくつもの変更を強いられました。もちろん、日常生活についての対応にも追われることになり、食品をはじめとする生活必需品をそろえるために右往左往したものです。
とはいえ、その際は3日間で解除されたため、街はすぐ普段の様子を取り戻しました。
しかし、ほっとしたのもつかの間、経路不明の感染者が1人出現し、複数の店舗をまたいだ市街の移動が確認されたため、またしても7日間のロックダウンに突入しました。
これにより、オークランドは警戒レベル3、その他の都市は警戒レベル2となりました。オークランドとワイカトの境界では、警察が出動して市民の行き来をストップするなど、あたかも国境警備のような重々しい状態でした。筆者はその時期、ワイカト地方への複数回の出張の予定があったため、「もし出張先でロックダウンに遭遇していたら…」とぞっとしました。
多くの人がロックダウンの長期化を懸念していましたが、幸いなことに、新たな感染者は出現せず、それにより予定通りのスケジュールで警戒レベル3は解除され、オークランドは警戒レベル2に、その他は警戒レベル1へと引き下げられました。ほぼ正常な生活ができるようになったのです。
そうはいっても、このロックダウン中は飲食店、商店街はほぼ閉店。街は閑散としており、7日間とはいえ、昨年の緊急事態が思い起こされるようでした。
ところがです。商店の閑散とした様子とは打って変わり、不動産業界は問い合わせの電話が鳴り止まないほどの大盛況です。夜中になってもメール着信が続きます。リモートワークする人が増え、自宅の滞在時間が長くなったからでしょう。投資物件やマイホームを探す人々がネットを検索し、セールスマンに次々と問い合わせをしているのです。
警戒レベル3のときには、物件の内覧は1日2組まででした。そのため、通常の一般公開としてまとめての内覧ができず、日を分けて案内する必要があったのです。そのため、逆に通常よりも忙しく、ほぼ毎日オープンホームという状態になっていました。
訪問者が帰ったあとは、消毒作業もしなければなりません。うれしい悲鳴が上がる一方、体力的には大変でした。しかし、「Withコロナ」となってもう1年以上です。リモートワークにも慣れ、オークションですらZoomでの開催が当たり前になりました。このような状況下でも着実に成果は上がっており、不動産は売れに売れている、というのがオークランドの実情です。
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