中山てつや氏は著書『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』のなかで、職場における諸問題について語っています。当記事では、中山氏のキャリアコンサルティングとしての実務経験をもとに、日本の企業における問題点を考察していきます。

人にはそれぞれ自分に合った「落としどころ」がある

「籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人」という格言を、聞いた方は多いと思います。「世の中には階級・職業がさまざまあって、同じ人間でありながらその境遇に差のあることのたとえ。また、そのさまざまの人が、うまく社会を構成していることのたとえ」出所:デジタル大辞泉)という意味で使われます。

 

人には、人それぞれ、自分に合った「落としどころ」が必ずあります。たとえ社内での評価が低くても、たとえ昇進できなくても、相性を超えたその先に、どこか必ず「落ち着く先」が存在します。

 

「籠」を、一部上場企業や一流企業、有名企業のような会社、組織として捉えることもできます。一方、社長や役員、部長、課長のような、役職に置き換えることもできます。

 

会社で働く多くのビジネス戦士は、どの「籠」に乗るべきか、「籠」の種類はどれにしようか、などに思いを馳せながら、日々ハードワークをこなしているのではないでしょうか。「今は、とりあえず担いでいるだけだが、いずれは乗る立場になってみせるぞ」と、虎視眈々とチャンスをうかがっていることでしょう。

 

人によっては、すでにその状態から抜けて、「このままずっと、担ぐだけでもいいかな」と達観しているかもしれません。状況によっては、担ぐふりをして、実際にはぶら下がるだけで、「少しでも楽をしよう」と、知恵を絞る輩もいるかもしれません。

出世できるかどうかは「上司との相性次第」その理由は

出世できるかどうかは、所詮「上司との相性次第」です。どんなに一生懸命に担いでも、担ぎ甲斐がなくなれば、気持ちが変わるのも、理解できないわけではありません。「担ぐだけ」や「担ぐふり」は、組織の中における生き方のひとつでもあります。どれを選択するかは、各人の考え方次第です。

 

また、成り行き上、意図しない展開になるケースもありますむしろ、そういう場合のほうが多いのではないかと思います)。しかし、心底納得できる「落としどころ」が、長い社会人生活の中には必ず存在します。

 

問題は、その「落としどころ」が、いつ、どこで、どのように訪れるのか、誰にも分からないということです。気をつけていないと、知らず知らずのうちに、目の前を素通りしてしまうかもしれません。でも、意識さえしていれば、必ず気づく時がやって来るものです。
 

 

 

*****************************

中山てつや

1956年、東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。日系製造メーカー及び外資系IT企業を経て、主にグローバル人材を対象としたキャリアコンサルティングの仕事に携わる。

 

 

【関連記事】

税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

あなたにオススメのセミナー

    本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

    人気記事ランキング

    • デイリー
    • 週間
    • 月間

    メルマガ会員登録者の
    ご案内

    メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

    メルマガ登録
    TOPへ