日本人の平均寿命が延びているなか、これまで築き上げた資産がなくなるまでの期間、すなわち「資産寿命」が短いと、自分のやりたいことができません。今回は、お金儲けをしようと思った投資未経験者が、退職金で投資デビューするときの注意点について解説します。※本連載は、大江英樹氏の著書『資産寿命 人生100年時代のお金の「長寿術」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「投資未経験者」が最初にやるべきことは?

(※写真はイメージです/PIXTA)
投資デビューする前にやるべきことは?(※写真はイメージです/PIXTA)

 

筆者は長年金融機関に勤めてきたのでわかりますが、「退職者」というのは金融機関にとっては最も“おいしい”顧客なのです。何せ、まとまったお金を持っています。でも投資をしたことがない人は知識を持っていません。ところが儲けたいという欲だけはある。

 

そんな人が貰ったばかりの退職金を持って金融機関の窓口に出かけるというのは、あまりにも危険な行為です。ライオンの檻の中にウサギが入っていくようなものです。

 

そういう人は「投資は楽をして儲けるものだ」と思っているから真剣に勉強しようとしません。その上、多くの人にとっては退職金ほどのまとまったお金を持つのは初めてですから具体的にどうすればいいかわかりません。

 

そこで手っ取り早く、親切に声をかけてくれる金融機関の人達に相談して儲かるものを教えてもらおうとします。でもそんな都合のいいものはありません。楽をして儲けることなどできないのです。ですから退職金で投資デビューすることだけは絶対にやめた方が良いと思います。

 

では、それまで投資した経験のない人が投資を始めるにはどうすればいいのでしょうか?

 

それはまずしっかりと勉強することです。そして少額から実際に投資を体験することです。勉強して投資を始めてみると、頭ではわかっていても気持ちの上でどうにもならずに失敗することはよくあります。

 

例えば株が上がってくるとうれしくなってもっと資金を投入したくなります。逆に株が下がると見るのも嫌になり、投資をやめてしまうか、売るという行動を取りがちです。これらはいずれも失敗のパターンで、本当はその逆をしなければならないのですが、人間の気持ちはなかなかそういうわけにはいきません。

 

そんな時は、心の赴くままにやっておおいに失敗をすればいいのです。そんな時、大きな痛手にならないような金額でやっていれば失敗してもダメージは少なくて済みます。

 

投資は少しずつゆっくりと儲けることを考えるべきです。退職金やそれまで蓄えてきた貯金を一度にまとめて投資をするというのは投資初心者が取るべき態度ではありません。投資を決して甘く見てはいけないのです。

 

 

 

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