日本人の平均寿命は延び、「人生100年時代」と言われています。しかし、これまで築き上げた資産がなくなるまでの期間、すなわち「資産寿命」が短いと、自分のやりたいことができません。それだけでなく、見栄を張った予算オーバーの支出が多いと、老後破産に陥りかねません。そこで今回は、「老後の支出」を抑えるコツについて解説します。※本連載は、大江英樹氏の著書『資産寿命 人生100年時代のお金の「長寿術」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

「家のリフォーム費用」が予算オーバーしがちなワケ

支出を考える上で、日常生活費とは別に考えておかねばならないのが「自己実現費」と「一時出費」と呼ばれるものです。日常生活費は原則として公的年金の受給の範囲内に収めるべきです。しかし、この「自己実現費」と「一時出費」はなかなかその範囲内に収めるのが厄介なしろものです。そもそもこれは一体どういう内容のものなのでしょうか?

 

「自己実現費」というと大げさに聞こえますが、要は人生を楽しむためのもので、趣味や旅行、外食といった楽しいものに使うお金のことです。

 

一方、「一時出費」とは日常生活では発生しないが、ケースによって起こり得ること、具体的に言えば、家のリフォームや子どもへの結婚資金援助、自動車の買い替えといった、比較的まとまった出費が発生するものです。

 

これらについて注意しないといけないのは、ズバリ「歯止めが利かなくなること」です。まず自己実現費ですが、これはそもそも楽しいことをするための出費ですから、お金が出て行く痛み以上にそれを上回る楽しみを感じるため、ついつい使ってしまいがちになるのです。

 

趣味でお金を使い過ぎて生活が破綻するということはまずないでしょうが、それでも確実に資産寿命は縮まることになります。

 

一方、一時出費にも様々なものがありますが、恐らく最も金額が大きいのは家のリフォームでしょう。

 

住んでいる家が古くなって修繕する必要があることに加え、家族構成が変わったり、将来に備えてバリアフリー化したりと、定年後にリフォームを行なう人は多くいます。ところがリフォームは、予算をオーバーするということがよく起こります。

 

通常、リフォームは予算を立て、どこまでやるのかを決めてから行なうのですが、厄介なことに家の中できれいになったところと前のままのところがあると、リフォームしていないところや前から置いてあった家具は何となくみすぼらしく見えてしまいます。そこで「ついでだから」と予定にない箇所のリフォームや家具の買い替えで予算をオーバーしてしまうことが起こりがちなのです。

 

これは心理学でディドロ効果と言われるもので、新しいモノをひとつ取り入れると、他も新しいモノに統一させたいと感じる心理作用のことです。

 

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