都道府県別「小1、中1、高1の子供の肥満傾向」
大人、特に男性の場合、メタボリックシンドロームが問題視されています。内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすいとされているからです。そして肥満傾向児*が増えていることも、問題視されていました。近年はどうなのでしょうか。
*平成17年度まで、性別・年齢別に身長別平均体重を求め、その平均体重の120%以上の体重の者を肥満傾向児、80%以下の者を痩身傾向児としていたが、18年度から、性別、年齢別、身長別標準体重から肥満度(過体重度)を算出し、肥満度が20%以上の者を肥満傾向児、-20%以下の者を痩身傾向児としている。
肥満度(過体重度)=〔実測体重(kg)-身長別標準体重(kg)〕/身長別標準体重(kg)×100(%)
平成18年度と令和元年度で比較すると、各年齢、肥満傾向児の出現率は減少しています。
5歳 2.78→ 2.93
6歳 5.34→ 4.33
7歳 6.03→ 5.61
8歳 8.03→ 6.88
9歳 9.70→ 7.85
10歳 10.20→8.46
11歳 10.91→8.84
12歳 11.73→8.48
13歳 10.36→7.88
14歳 10.22→7.37
15歳 11.98→7.84
16歳 10.98→7.30
17歳 11.30→7.99
また痩身傾向児の出現率も、平成18年度と令和元年度で比較すると減少しています。
5歳 0.32→ 0.40
6歳 0.49→0.44
7歳 0.41→0.48
8歳 0.91→0.97
9歳 1.60→1.66
10歳 2.66→2.52
11歳 2.97→2.49
12歳 3.59→2.74
13歳 2.92→2.35
14歳 2.50→2.10
15歳 2.99→2.10
16歳 2.25→1.55
17歳 2.20→1.31
地域別に肥満傾向児出現率を見ていきましょう。小学校1年生6歳の肥満傾向児出現率が最も高いのは、「青森県」で9.55%。秋田県」「北海道」「熊本」「宮城」と続きます(図表1)。
次に中学校1年生12歳の肥満傾向児出現率が最も高いのは、「宮城県」で14.2%。「青森県」「岩手県」「栃木県」「秋田県」と続きます(図表2)。
さらに高校1年生15歳の肥満傾向児出現率が最も高いのは、「徳島県」で15.7%。「秋田県」「青森県」「和歌山県」「山形県」と続きます(図表3)。
6歳児、12歳児では上位10位以下だった徳島県が15歳児では1位になるなど、各年代で特徴がありますが、東北地方は全世代で肥満傾向児出現率が高い傾向にあります。塩分摂取量が多いなど、食文化の違いなどが関係していると考えられます。
肥満傾向児、瘠身傾向児、どちらもここ10年では横ばい傾向ですが、食べ過ぎや運動不足で肥満となってしまう子、無理なダイエットをしてしまう子、どちらも一定数いることは確か。どちらも将来的に疾病につながりやすいものなので、親として気を付けたいものです。
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