国家公務員の月給は?ボーナスは?退職金は?
国家公務員の基本給は俸給と呼ばれます。人事院の俸給表により月額の基本給が決まっており、そこに諸手当がプラスされます。俸給表は「行政職」「公安職」「海事職」「教育職」「医療職」など職種で分かれ、さらに級数(=役職)や号数(勤続年数や年齢を反映したもの)で金額が決まります。
たとえば国家公務員のうち,他の俸給表の適用を受けないすべての職員に適用される行政職(一)について見ていきましょう。
人事院『令和2年国家公務員給与等実態調査』によると、大卒の場合の級別平均俸給額は以下の通り。級の最高である10級には、行政職(一)の大卒8万3227人のうち、0.3%だけです。
1級 188,843円(16,351人)
2級 228,542円(14,177人)
3級 301,956円(30,951人)
4級 361,757円(34,951人)
5級 383,761円(20,251人)
6級 400,432円(15,770人)
7級 430,685円(3,869人)
8級 461,710円(2,152人)
9級 511,575円(1,288人)
10級 552,419円(257人)
各級の俸給範囲は以下の通り。級は民間企業であれば役職にあたるものなので、役職はうえでも勤務年数が長いので手取り額は多い、ということは十分あります。
1級 135,600~243700円
2級 185,800~309400円
3級 222,900~356600円
4級 261,900~390500円
5級 289,200~403000円
6級 320,600~425100円
7級 366,200~459100円
8級 413,700~481300円
9級 467,500~541200円
10級 532,800~573800円
月額の俸給のほか、扶養手当や住居手当などの諸手当が支給されますが、その金額はきちんと公開されています。さらに半年に一度の「期末・勤勉手当」が支給されますが、こちらもきちんと公開されています。昨年の6月であれば平均約680,100円、12月であれば約653,600円です。
このように、国家公務員の給与は丸裸の状態。たとえば本府省の補佐にあたる5級ですべて平均値だと仮定すると、年収は約677万円となります。
「あの人、これだけもらっている」というのもある程度把握できますし、「これから先、これだけもらえる」というのもある程度予測がつくわけです。また年功序列の給与体系なので、銀行の融資も通りやすいメリットもあります。新卒でもいきなり家を買う人がいるのも、そんな理由です。
さらに内閣官房『退職手当の支給状況(令和元年)』によると、行政職俸給表(一)適用者で60歳以上定年者3825人の退職手当平均支給額は 2140万8000円。民間企業の場合、そもそも退職金制度がなかったり、月給に上乗せするようになったりと、「退職金があるから老後も安心」という世界ではなくなってきています。それに対して勤め上がれば2000万円の退職金を手にできる国家公務員は、魅力的に映るでしょう。
しかし国家公務員とはいえ、安泰とはいえません。基本的に国家公務員の待遇は、民間企業の状況が反映されます。2000年代初めには、国家公務員の退職金は平均2600万円程度でしたらから、大きく減額されています。今後、民間企業のように定年の延長も議論されていますし、それによって退職金額も大きく減少する可能性があります。
国家公務員といっても、老後を見越した資産形成が必須な時代といえるのです。
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