軍用地とは「沖縄などにある在日米軍の基地に使用されている土地」のことをいいます。一般的な不動産と同じように投資ができ、賃料(軍用地料)収入を得たり、売却して値上がり益を得たりすることも可能です。今回は、軍用地に投資する際の「立地条件」について解説します。※本連載は、軍用地コンサルタントの仲里桂一氏の著書『専門家が優しく教える![軍用地投資]の教科書』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集したものです。

軍用地投資の最大のリスクは、「バブル経済の再来」

以前は軍用地投資の最大のリスクといえば、軍用地が返還されて軍用地料がもらえなくなることでした。しかし、返還された後もその土地の使用収益が見込まれるまで軍用地料に相当する給付金がもらえることに。

 

さらに、返還後の再開発により土地の価値は上がると見込まれているので、返還はもはやリスクではなくなりました。では、最大のリスクとは、一体何でしょうか?

 

筆者が考えている軍用地投資の最大リスクは、「バブル経済の再来」です。

 

1980年代後半、日本がいわゆるバブル景気に盛り上がっていた頃、軍用地は見向きもされていなかったそうです。当時をよく知る人によると、軍用地の利回りは5%程度だったとのこと。現在からすれば十分な利回りですが、当時は東京の山手線内側の土地の価格だけでアメリカ全土を買えるというほど、日本の土地が高騰していたにもかかわらず、軍用地の利回りはその程度だったのです。

 

母の記憶によると、その頃の郵便局の通常貯金の金利は2%、定期貯金は6%もあったとか。2019年5月現在、ゆうちょ銀行の通常貯金の金利は0.001%、定期貯金は0.01%です。バブル当時は現在と比べて、通常貯金で2000倍、定期貯金で600倍もの高い金利でした。

 

つまり、軍用地を持っているより郵便局に預けたほうが儲かるわけで、軍用地が見向きもされなかったのもうなずけます。

 

バブル崩壊後、100年に一度ともいわれた平成の大不況において、軍用地は投資家の間で秘かに注目を集め始めました。地価が下がり続けるなか、軍用地料が景気に左右されることなく毎年確実に上がり続けていることに一部の投資家が気づいたのです。

 

デフレ時代に最も適した投資ともいえる軍用地は、現在、その人気に火がついたといえます。

 

2012年12月に始まった「アベノミクス景気」が「いざなぎ景気」を抜いて戦後2番目の長さになったといわれています。この景気回復が順調に進んで、多くの国民が景気回復を実感するようになれば、バブル経済が再来するでしょう。日経平均株価が3万円を超え、普通預金の金利が1%になる――そんな時代がすぐに来るとは考えられませんが、まさにそのときこそ軍用地は暴落を迎えると筆者は予想しています。

 

仲里 桂一

軍用地投資コンサルタント

 

 

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専門家が優しく教える!軍用地投資の教科書

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仲里 桂一

扶桑社

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